安倍晋三首相とそのチームが「最悪の事態は回避できる」と断言したコロナウイルスのショックに日本経済は苦しんでいる。そして、1億2600万人の国民は疑問を投げかけている。アジア第2位の経済大国を、これほどまでの急激な赤字に転落させた責任を誰が取るべきなのかと。
世界の多くの国々では、パンデミック後のロックダウンが人間版の信用収縮を引き起こし、経済は失速した。しかし、西村大臣の上司である安倍首相が率いる日本では、新型コロナウイルスがツイッターのトレンドに浮上するずっと前の昨年10月から12月にかけて、GDPが年率7.3%も急落していた。
昨年の第4四半期の成長率に打撃を与えたのは、十分な検討を重ねずに実施された10月の消費税の10%への引き上げだ。グーグルで「ハーバート・フーヴァー」という人名を検索すれば、世界の貿易戦争のさなかに財政を引き締めるのがなぜ悪いのか理解できるはずだ。
それなのに安倍や西村、そして麻生太郎副総理兼財務相らは、国の借金を返済するために必要だと主張して、とにかく消費税を引き上げた。彼らがもしも、消費税の増税に踏み切る前に、「不況がどのように始まるのか」をググっていれば日本が今、経済復興に注いでいる2.2兆ドルという費用を、より少ない額に抑えられたかもしれない。
日本も結局のところは、米国や欧州と同様に、パンデミック後の経済刺激策を必要としていたことになる。しかし今、この国の経済成長を2019年のペースに戻すためには、GDPの40%を費やすことが必要なのだ。
安倍政権は2014年にも、消費税を5%から8%に引き上げていた。その際にもあっという間に日本は不況に陥り、GDPの落ち込みを抑えるための借金が膨らんだ。ちなみに、1997年にも同じようなことが起きていた。
エコノミストたちは、日本のデフレと失われた数十年からの教訓を語ることが多いが、政府が自らの過ちから学ぼうとしなかったことについて、もっと多くの議論がなされるべきだ。最低限でも、安倍政権は過去2回の消費税増税を一時停止し、税率を5%に戻すと宣言すべきだ。