インスタがまたもやTikTokを模倣、未知のアカウントの投稿を表示

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インスタグラムは8月19日から、"Suggested Posts "と呼ばれる新たな機能の導入を開始した。この機能は、フォローしていないアカウントからの写真や動画をアルゴリズムが抽出して表示するものだ。インスタグラムの競合のTikTokはこのテクノロジーを用いて支持を高めていった。

Suggested Postsはフォローしているアカウントの全ての投稿を表示した後の、ホーム画面の最低部に表示される。ここに表示される投稿は、ユーザーがいいねをしたコンテンツやシェアした投稿などの履歴に基づいて選ばれる。

インスタグラムでこの機能を担当するRobby Steinは、次のように説明する。「あなたが特定の事柄に関心があるとしたら、そのカテゴリのコンテンツをもっと見たいと思うだろう。例えば私の場合は、食べ物やインテリアなどだ。インスタグラムは、ユーザーにとってベストな投稿を届けていきたいと考えている」

これは、インスタグラムにとって大きな転換点と言える機能だ。これまでインスタグラムのホーム画面に表示されるのは、ユーザーがフォローしているアカウントの投稿のみだった。

しかし、TikTokのフィードはそれとは異なっていた。TikTokを起動した際に表示されるFor Youページに表示されるコンテンツは、全てアルゴリズムが抽出したもので、ユーザーが知らないアカウントや、過去に関心を示した投稿をベースに選ばれている。

TikTokはこの仕組みによってコンテンツのバイラルな拡散を促進し、インフルエンサーたちがより大きなフォロワーを獲得することを支援した。

インスタグラムはTiKTokの機能を模倣することで、競争に打ち勝とうとしている。インスタグラムは8月の上旬にReelsという新機能を導入したが、これもTiKTokを真似た機能だった。インスタグラムの親会社のフェイスブックは、以前から他のテクノロジー企業の模倣を行うことで批判を浴びてきた。

Suggested Postsは現時点では、さほど目立たない場所に置かれており、多くのユーザーが日常的にアクセスするかどうかは定かではない。しかし、インスタグラムは今後、この機能に磨きをかけていくと述べており、もっと目立つ場所に表示するかどうは不明だが、ここにReelsのコンテンツが加えられる可能性もある。

ここ数年で最大の変化の1つ


Suggested Postsはインスタグラムが既にExploreタブに導入済みのアルゴリズムを用いた表示の仕組みと似通っている。しかし、同社はSuggested Postsに表示されるコンテンツと、Exploreタブに表示されるコンテンツの違いを明確にすることを避けている。

インスタグラムのホーム画面のフィードには、ここ数年、変化が無かった。2016年にインスタグラムは投稿の表示の仕組みを変更し、それまでの時系列の表示からユーザーの関心に基づいたアルゴリズムによる表示に切り替えた。それ以前の変更としては、2013年に実施された広告の導入があげられる。

TikTokの未来がどうなるかも、現時点では定かではない。米国のトランプ政権は、TikTokの親会社のバイトダンスが中国政府に個人情報を渡していると非難し、TikTokの米国事業を米国企業に売却させようとしている。しかし、バイトダンス側は米国政府の非難が事実無根であると反論している。

編集=上田裕資

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