ウィーワークは今、転機を迎えている。それは新型コロナウイルスの影響だけでなく、昨秋に最高経営責任者(CEO)の座を追われたニューマンの遺産がもたらしたものでもある。ニューマンは、株式買い付けの撤回をめぐりソフトバンクGを提訴している。
11億ドルの資金コミットメントによって、ニューマンとソフトバンクGの戦いへの支持にも変化が起きるかもしれない。「一人の観察者として言えば、ニューマンの立場は弱くなると思う」とポレグは話す。「彼はいわば、持ち株を売り払いたがっていた一部のベンチャー投資家と同じ船に乗っていた」
ソフトバンクGはウィーワークが新たな資金を得られるようにすることで、ウィーワークの救世主、かけがえのない味方として再登場したかっこうだ。もっとも、ソフトバンクG側にしても、ウィーワークへのこれまでの投資を無駄にしたくないという思いはあるだろう。
ウィーワークは今後、自らが持続可能な企業であることを証明していく必要がある。新型コロナウイルスが短期的に同社にとって打撃となっているのは明らかだが、企業の間では制約の大きい長期間のオフィス賃貸をやめようとする動きが広がりつつあるのも確かだ。フレキシブルなオフィススペースを手がける企業にとって、非常に大きな商機が到来しつつあると言えるだろう。