TikTokは音楽流通のスタートアップ「UnitedMasters」と提携を結び、独立系ミュージシャンの楽曲をスポティファイやアップルミュージック、ユーチューブなどでダイレクトに配信する。TikTok上の楽曲は今後、Commercial Music Libraryと呼ばれるライブラリに掲載され、外部の企業らがコンテンツとして利用可能になる。
TikTokは既に様々なアーティストのプロモーション活動に利用されており、ラッパーのリル・ナズ・XやBMW Kennyらの知名度を押し上げてきた。同社が提携を結んだUnitedMastersは、アルファベットやアンドリーセン・ホロウィッツ、21世紀フォックスらの出資を受けて2017年に設立された企業で、ミュージシャンたちを大手レーベルの搾取から守ることをゴールとしているとされる。
UnitedMastersと契約したアーティストはマスター音源の所有権を保持しつつ、90%もしくは100%のロイヤリティを得られる。
フェイスブックは先日、TikTokを真似たReelsと呼ばれる機能を本格始動させ、TikTokのインフルエンサーらに巨額の契約金を提示して、引き抜き工作を行っている。TikTokはこの動きに対抗する形でクリエーター・ファンドを立ち上げ、今後の3年間で20億ドル以上を投じて、世界のアーティストを呼び込もうとしている。
トランプ政権はTikTokの親会社のバイトダンスが、中国政府と個人データをシェアしていると非難しており、TikTokの米国事業を米国企業に売却させようとしている。
マイクロソフトは買収に向けた協議をバイトダンスと進めていることを認めた。同社は米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドでのTikTokの事業を買収しようとしている。
ロイターの報道によると、TikTokの現在の企業価値は500億ドル(約5.3兆円)とされている。これは、2020年の同社の予想売上10億ドルの50倍の金額だ。統計データプラットフォームのStatistaによると、米国でのTikTokの利用者数は現在4540万人で、2024年までに6000万人を突破する見通しという。