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2020.08.28

モノづくりへの“覚悟”がより良い社会を創る ゴールドウインとHITOYOSHIが目指したボタンダウンシャツの理想形

ゴールドウインと聞けば、アウトドアのザ・ノース・フェイス、ラグビーのカンタベリー、テニスのエレッセに代表されるように、スポーツアパレルメーカーとしてのイメージが強いだろう。

だが、今春には、ビジネスやプライベートの日常において着られる上品な顔立ちのシャツが「MXP」というブランドからリリースされた。その背景には、2020年3月期決算まで3期連続で過去最高の営業利益をあげてきたゴールドウインならではの戦略と企業文化があった──。



各界の巨人に愛されたボタンダウンシャツ


襟の先端部分が身頃の生地にボタン留めされたシャツは、ボタンダウン(=ボタンで留める)シャツと称されている。「襟が風であおられてプレーの邪魔にならないように」と工夫されたポロ競技のユニフォームから着想され、そのデザインがアメリカのブランドによってドレスシャツに初めて採用されたのは1896年。第1回夏季オリンピックがアテネで開催され、ヘンリー・フォードが初の四輪自動車の試作に成功したのも同年だ。ボタンダウンシャツには長い歴史がある。

近代五輪や四輪自動車と同じ時系列を生き抜いてきた古参のファッションアイテムであるボタンダウンシャツは、これまで数々の名士に愛されてきた。例えば、フレッド・アステア、スコット・フィッツジェラルド、アンディ・ウォーホル……。彼らは映画、文学、芸術の各界を代表する巨人であり、いずれ劣らぬ伊達男でもあった。

成熟市場でも輝きを放つ、革新的なシャツが誕生した


誕生から124年目を迎えたいま、ボタンダウンシャツの市場は成熟期の真っ只中にある。コモディティ化が進み、革新的な新製品を期待することが難しくなっているのだ。

ところが今年、日本のブランドから革新的なボタンダウンシャツが生み出された。そのブランドの名は、「MXP」。ザ・ノース・フェイスやヘリーハンセン、エレッセなどの国内商標権を保有し、日本市場にフィットしたオリジナル企画の製品で売り上げを伸ばしてきたゴールドウインが手がけている。

プロダクトディレクターを務める村井絢子は、「このボタンダウンシャツの場合、立体的な襟の美しさ、細やかに配慮された縫製の丁寧さ、リアルに体感していただける着心地の良さが強みだと思っています。どれほどの機能を有していても、洋服としての魅力に欠けていると、お客様には手に取っていただけないですから」と前置きしたうえで、ブランドの始まりから続く開発秘話を明かした。

「MXPは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同開発により、宇宙飛行士の着用テストを経て製品化したカットソーからスタートしました。宇宙ステーションには、お風呂も洗濯機もありません。そこに半年間も滞在する宇宙飛行士にとって、下着に染み付く体のニオイは精神衛生に影響をもたらしかねない問題です。これをクリアしたMXPは、『宇宙下着』というキャッチフレーズとともに2010年にデビューしました」

宇宙におけるテストでは、ひと月に一回という地球上では考えられないペースで着替えていたにもかかわらず、帰還した宇宙飛行士の第一声は「本当に匂わなかった!」という奇跡的なものだった。「宇宙下着」は、MXPが素材メーカーとの協業で開発したオリジナルの糸で構成されている。汗臭や加齢臭を中和・吸着して消臭する機能を備えた糸は、他社が一朝一夕に真似できるものではない。この競合優位性を推し進め、新たなカテゴリーにまで躍進を遂げたのがボタンダウンシャツである。

「これまではカットソー地やスウェット地に消臭機能をもたせてきましたが、これらの編み素材と比較して織り素材のシャツ地は同面積あたりの糸の使用量が少ないために、目指すべき消臭率を達成するのがとても困難でした。新たに糸を開発するところから始め、生地を完成させるまでに約3年の期間を要しました」

オリジナル生地の完成後、シャツという立体物にするためには設計方針を決める必要がある。MXPが掲げたテーマは、「ザ・トーキョースタイル」だった。オンからオフまで自由自在に合わせられる万能性、着たときに気持ちが凛としてネクタイがあってもなくても優美な襟、パンツにインしてもアウトしてもスタイリングが成立する裾の長さやカッティング、流行に左右されずに幅広い年齢層が着られる身幅。これらに徹底的にこだわることで、海外ブランドのボタンダウンシャツとは違う、トラッドでもモードでもない、「ザ・トーキョースタイル」として今後の日本で愛され続ける「定番品」を生み出したかったのだという。




今作に使われているのは、「宇宙下着」の素材開発技術をもとに生み出されたMXPオリジナルのオックスフォード生地。緯糸に身体のニオイを消臭するオリジナルで開発した糸、経糸にポリエステルとコットンを混紡した糸を用いて緻密に織り上げている。ブルーとホワイトの2色展開。「ロングスリーブスタンダードオックスフォードボタンダウンシャツ(メンズ)」¥16,500(税込)(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター ☎︎0120-307-560)


シャツの印象を左右する大事な顔といわれるのが襟だ。先端をボタンで留めた襟が、美しいロールを描いているのは一目瞭然。縫い合わせになるパーツの外側と内側で長さを変えるといったパターン上の工夫が盛り込まれ、熟練職人によって丁寧に縫製されることにより、この上品な見映えとなる。


ゴールドウインが展開するブランド「MXP」でプロダクトディレクターを務める村井絢子。マーケティングプランの立案はもちろん、糸の開発から在庫流動管理までブランドビジネスの骨組み全般を取り仕切る。

日本屈指のものづくりの現場と協働


MXPは、ただ単に機能性のみをもって優位性を謳ったブランドではない。型紙や縫製へのこだわりから生じる「見た目の美しさ」や「着心地のよさ」こそが、顧客を満足させると信じている。そのためには、腕のいい工場と手を組むのが絶対的な使命であった。

「MXPにとって、消臭機能はあくまでもベースです。これを踏まえながら、“服”としての完成度の高さを最重要事項と捉えてプロダクト開発を進めています。シャツを手がけるのであれば、日本でも最高峰のファクトリーに縫製をお願いしなくてはなりません。HITOYOSHI様にコンタクトを取らせていただいたのは、私たちにとって必然でした」

HITOYOSHIは、熊本県人吉市で操業しているシャツ専門の縫製工場だ。工場は1988年から稼働してきたが、親会社であるシャツメーカーの経営破綻を経て、2009年にMBO(マネジメントバイアウト)によって独立。初代社長に就任したのが吉國武だ。

「もともと熊本の工場は日本で1位、世界で4位の年間生産枚数を誇っていました。その大量生産型から少量で多種多様なものづくりができる工場になろう、手間隙をかけて本当にいいものを手がけていこうと、09年以降は方針転換しました。シャツの平均的な工程数は54ですが、これを110にまで増やして、裁断から縫製、仕上げに至るまで細やかな仕事ができるようにしていったのです」

1990年には日本全国の400カ所で稼働していたシャツ工場が、30年を経た現在では40にまで減っているという。HITOYOSHIが今日まで生き残ることができた、その明暗を分けたものとは何だったのだろうか。

「それは、ひとえに覚悟だと思っています。儲かる・儲からない以前に、職人の技術を次世代につないでいこうという覚悟です。工場で働いている人間は112名、行っているのは110工程。これほどの数字で稼働できているのは、いま全国に残存している40工場のなかでも本当にごくわずかだと思います」


MXPのボタンダウンシャツを縫製するファクトリー「HITOYOSHI」の代表取締役社長、吉國武。工場は熊本の人吉市にあり、東京の青山には企画室を構えている。シャツをよく知る吉國は、企画チームの陣頭指揮も執る。

若い職人たちを海外の工場で研修させるなどして、常に仕事に対する誇りと向上心を保たせる。襟をつくって25年、袖を付けて25年といったベテランからの技術面・精神面の継承も怠らない。取引先に対しては、透明性をもって自分たちが行っていることを常に明らかにし、価値観を共有したうえで正当な工賃を得る。こうした実直な経営によって、HITOYOSHIは他に類を見ないシャツファクトリーになった。しかし、そのHITOYOSHIをもってしても、MXPのボタンダウンシャツを縫うことは難題だったという。

「自分でも実際に着てみて体感しているのですが、生地に軽さがあって着心地がいいですよね。伸縮性もあります。こういった生地に正確に針を通して美しいシャツに仕上げていくのは、熟練した職人であっても簡単なことではありません。それでも現場の職人にMXPのシャツを手がけた感想を聞いてみると、『とても楽しかったです』という答えが返ってきます。新たな課題に向き合い、正解を見出していく。お客様の期待にしっかりと応えていく。その過程に職人としてのやりがいがあったのだと思います」


標準化された製品を大量につくりだす効率性とは異なるスタンスで日本随一のシャツファクトリーに登り詰めたHITOYOSHI。MXPのボタンダウンシャツは、本当に納得のいくものをつくるために生地が完成してから製品化までに約1年をかけた。その縫製技術に対し、MXPの村井は「常にこちらの期待以上の仕上がりで驚きの連続でした」と語る。


こちらがHITOYOSHIのファクトリー。この場所で自社ブランドのシャツも生産していて、他社からOEM生産を請け負う際には東京の企画チームが攻めの提案を行う。企画部門と製造部門の連携が良好なシナジーを生み出しているHITOYOSHIは、厳しいコロナ禍の現状にあっても今夏から今秋にかけて工場のフル稼働が止まらないという。

逆風の最中にあって、結果を残し続ける企業文化とは


MXPを展開するゴールドウインは、2020年3月期決算に至るまで10期連続で増収、12期連続で増益を記録し、営業利益は3期連続で過去最高を更新している。アパレル業界全体の売り上げが沈んでいる近年において希有な存在と言えるだろう。MXPもまた同社の他ブランドに劣らぬ成長を遂げつつある。そんなゴールドウインブランドのひとつであるMXPをディレクションする村井に、同社に受け継がれている企業文化や風土は何かと最後に尋ねてみた。

「『より良い世の中を創る』という考えがベースにあることでしょうか。そして、その考えを大前提に『誰かに喜んでいただけたり、誰かの困りごとが解決されるのを具体的にイメージしてプロダクトやサービスに落とし込む』という思想が全社員に浸透しているのだと思います。 テクノロジーも美しいデザインも誰かの喜びのためにあると思っています。開発の過程でたくさん迷うことはありますが、この原点に立ち返ると迷いは自然と消えていきます。そのようにして生まれるプロダクトによって、より多くのお客様に喜んでいただいた結果として、世の中がより良くなっていくことを希求しています」


MXP
https://www.goldwin.co.jp/mxp/

Promoted by ゴールドウイン / text by Kiyoto Kuniryo / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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