これらのアイテムは、どれももはやニューノーマルに欠かせない生活の一部となっています。中でも、自転車が最も有益な買い物でした。運動になる上に、公共交通機関をほとんど使わずに済むからです。また、海外旅行が規制されているため、仕方なく身近な場所を自転車で散策するようになりましたが、そのおかげで電車では辿り着けないような新しい場所を東京の中で発見することができました。
そしてどうやら、このように感じているのは私だけではないようです。新型コロナウイルスの感染者数が世界中で爆発的に増え続ける中、自転車の売上も急増しています。「bicycle sales COVID-19」でグーグル検索をすれば、売上が増加しているという世界中からのニュースが表示されるはずです。一部では在庫切れも発生していて、トイレットペーパーで起こった現象が、今度は自転車で起こっているようです。
自転車の世界全体の市場規模は5兆4000億円で、去年は6.9%の成長を見せましたが、今年はこの新しい需要の効果で、一部のロードバイクでは35%もの市場拡大が予想されています。自転車部品で世界シェア70〜80%を誇るシマノも、パンデミックが始まって以来、時価総額が日産やJR西日本を上回るまで増加しています。
また、自転車業界のこの追い風は、非常に面白いタイミングでやってきました。世界が新型コロナウイルスに脅かされるようになる前から、自動車業界と同様に、自転車業界ではある変化が起こり始めていました。リチウムイオン電池の技術の進歩や、価格や出力の改善により、より多くの人々が電動自転車を現実的な交通手段として使えるようになってきているのです。ほとんどの人にとって、自転車は運動ではなく主に移動のための手段です。電動自転車なら圧倒的に楽に漕ぐことができるので、真夏でも汗だくにならずに移動できます。