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地域経済とソーシャルイノベーション


「あなたはどうしたいの」教育と企業の乖離


入社したリクルートライフスタイルでは「自分がどうしたいのか?」を常に問われた。答えを教える教員時代との自分に大きなギャップを感じ、先生たちが教員以外の多様な他者と学びあう場が必要だと考えた。2016年9月に「先生の学校」を立ち上げ、これまでにリアルとオンライン含め約70回ほどのイベントを開催し、延べ3500名を超える人たちと交流をした。

思考が変われば行動が変わる。行動が変われば、結果が変わる。マサチューセッツ工科大学のダニエル・キムの成功循環モデルを教育事業に持ち込む重要性を実感した三原は、この理論を参考にしスマイルバトンの仕組みを構築した。



先生の学校の仕組みは、先行事例から学び、コミュニティを通じて学びを深める。月額450円で、現在先生の学校の会員は約500名。将来的に全国100万人にいるといわれている先生の中から10万人のコミュニティ形成を狙っている。

「私自身の経験からも、先生が豊かでいる、笑顔でいることは、どんな教育実践よりも大切だと考えています。だからこそ、先生を軸に教育をアップデートしたいと思いました。固定観念を外して”どうせできない”ではなく”どうすればできる?”を考える先生をふやしていく事が重要です」と三原は言う。

評論家が多い


筆者がこれまで、教育関係者らと交流してきて、「教育とはこうあるべきだ」と述べる評論家タイプの人が多いことに気づく。業務過多の現場では、具体的に行動に移すことが困難であるためだ。

そんな中、三原のこのビジネスは、時間はかかるかもしれないが、いずれは大きな変化を生み出すことに期待されている。教育は、地方自治体および教育委員会に任されられている部分がある。1つ事例をつくってしまえば、大きな仕組みの変革を生み出す可能性がある。



「『先生の学校』をはじめた4年前から"先生と子ども、両者の人生を豊かにする"ことをミッションに活動してきました。『先生の学校』は一つの選択肢でしかありませんが、"先生って、最高におもしろい"と、一人でも多くの先生が思えるよう、先生方に寄り添い、エンパワーメントしていきたいと思っています」

公立の先生たちには、明確な評価制度がなく、現状維持が優先される風潮がある。彼らに本当に必要なのは、固定概念を捨てて現状を疑い、先行事例から学び、語りあうコミュ二ティだ。一人でも多くの先生が変化を促すために行動することができれば、日本の教育の未来は明るいだろう。

これからますます、子供の多様性をみとめ、長所をのばしていく個別探求化や、AIやロボットが補えない創造性の領域を伸ばしていく学校教育が大事になっていく。「先生の学校」が先生の思考をアップデートし教育改革を推進する重要な役割にあると筆者は考える。

文=齋藤潤一、写真=株式会社スマイルバトン

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