では、以下に事実をお示ししよう。私がなぜ、これまでになく米国の住宅業界に興奮を覚えているか、きっとお分かりいただけるはずだ。新型コロナウイルスはこの市場にまったく打撃を与えなかった。このブームに乗って最大限に利益を上げるためのベストな方法もお教えしよう。
住宅市場は35兆ドルの規模がある
その上、市場はいま最高潮に盛り上がっている。この1カ月の新築住宅販売数は55%増加し、2005年以来最大の伸びを記録した。住宅ローンの借り換えを検討している米国人の数は111%増加した。
米国最大の住宅ローン金融業者であるクイックン・ローンズ(Quickn Loans)は、35年にわたる同社の歴史のなかで最高の四半期成績を叩き出した。2020年の最初の6カ月間で、同社は1200億ドルの住宅ローン資金を融資し、半年を残して過去最高の年間融資額の記録を更新したのだ。
さらに注目すべき事実として、6月の平均住宅販売価格は6%上昇した。全米不動産協会(National Association of Realtors:NAR)によれば、これにより指標は100カ月連続の上昇となった。
このような天文学的な成長指数は、ふつう「ブレイクの瞬間」を迎えている小規模な「ディスラプター(創造的破壊者)」にみられるものだ。それが今、米国最大の業界で起きている!
米国の住宅市場は供給不足
初めて家を買うというブレット=アシュリー・ウォード(Brett-Ashlee Ward)の場合、彼女は過去3週間のあいだにオクラホマシティの9軒の住宅にオファーしたが、すべてほかの入札者に競り負けた。けっして買い叩こうとしていたわけではない。彼女の提示額は売り手の希望価格を上回っていたし、契約手数料を売り手に負担させようともしていなかった。
こうした入札競争はもはや例外ではなく、急速に常態化しつつある。オンライン不動産取引業者のレッドフィン(Redfin)によれば、過去3カ月間に住宅を購入した買い手の過半数が、入札競争を余儀なくされたと答えている。
業界の動向を追っている人には、意外なことではないだろう。住宅専門家のバリー・ハビブ(Barry Habib)の昨年の言葉を借りれば、「米国では慢性的に住宅の供給が不足している」。実際、市場に出回っている住宅をすべて売り切るのに5カ月もかからないだろう。
サブプライム住宅ローン危機でダメージを負った住宅建設業者は、過去10年にわたり細々としか仕事をしてこなかった。国勢調査局のデータによると、1959年以降の新規住宅建築数は毎年平均150万戸。ところが過去10年間に限ってみると、年間わずか90万戸しか建てられていない。
米国は今、深刻な住宅不足に陥っている。何百万人もの住宅所有者が、パンデミックの猛威を受けて、家を売らない選択をした。これにより供給はさらに絞られた。