──お二人とも同じスポーツ、ラグビーで培った経験が大きいとおっしゃっています。
兄:僕が大学4年生の時に帝京大学で初の学生コーチに任命され、その時に選手をやめてコーチをする決心をしたんです。そのコーチの経験を通し、僕は力のある上のチームではなく、下にいる弱いチームの底上げをすることで、チーム全体の力をつけることが僕に課せられた使命でした。
だからこそ、ラグビーから学んだことを、舞台を変え、ビジネスの世界で活かしたいという気持ちがとても強かったと思います。チームビルディングや、絶対に諦めない精神力を持つ大切さを、コーチという役割を通して学生時代に学ぶことが出来たのは、本当にラッキーだったと思います。
弟:ラグビーは格闘技のようなスポーツ。けれど、レフリーがたった一人いるだけでゲームが成り立ってしまうのがとても不思議だと思っています。そして、いざ試合が始まると監督の指示出しがプレイヤーに届き難くて、中のチーム全員が自立して、一人一人工夫して考えなければ成り立たないスポーツなんです。
兄:チームメンバーの自立は重要なキーワード。これは仕事でも同じではないでしょうか。ただ、スポーツは勝ち負け決着がつくけれど、ビジネスの世界はWIN-WINでなければならない。そして、価値を作り上げていかなければならない。また、優先順位のつけ方が学生時代よりも複雑で、その分より一層皆で一緒のビジョンを持って突き進む必要があるんです。
──ひとつのビジョンに向かって邁進し続ける起業家にとって、休みを取るのはなかなか難しいと思いますが、お二人の「休み」の定義についてお話しいただけますか?
弟:今は、私生活と仕事が繋がっているので、特に休みという概念はないんです。少しリフレッシュしたいと思うときは、仕事の合間にできるちょっとした隙間時間を利用して、サーフィンで身体を動かしたりしています。それだけで十分リフレッシュできています。
石原紳伍氏
兄:僕の場合は、私生活では意識的に抑揚をつけて、色々な角度やリズムで視点を変えるように努力しています。たとえば、仕事の合間にサーフィンをしたりして、自分の中で意識的にリフレッシュのスイッチをオンにするようにしています。そのように自己をコントロールするオンとオフの切り替えがビジネスの運営にプラスに繋がるのではないかと思っています。
自分の仕事は、チョコレートという媒体を通して「時間を繋ぐこと」だと思っているんです。たとえば、サーフィンで水の中にいると、裸の心でいる自分がいて、そんなときに色々な商品アイディアが湧いてくる。そして、そうした想像から生まれて来たのが「サーフ」という商品だったりする訳なんです。