サーフィンは心を整えてくれるメンター #起業家の夏休み

MAISON CACAOの取締役社長 石原紳伍氏(左)、同取締役 石原祥行氏(右)



石原紳伍氏

──共通の趣味であるサーフィンは、いつも二人揃ってするのですか?

:波が荒い日にはお互いに身を守るために二人で行ったりすることもあります。基本的には、心のバランスを取るためにサーフィンを楽しんでいますが、波の状態の良し悪しに関わらず、海は自分の頭を柔らかくして、心の余裕をもたらしてくれる。だから、僕はほんのわずかな時間でも、時間があれば海に出てサーフィンを楽しむことにしています。

:僕も兄と同じで、サーフィンは心のリセットをしてくれる大切なメンターのような存在なんです。

──若き起業家、経営者として、コロナショック後の社会はどのように変わっていけば良いと考えていますか?

:これからは今までのような経済的な成長を望むことは難しいかもしれないけれど、「価値づくり」をすることは何ら変わらないと思っています。そして何よりも変わってくるのは「時間の使い方」で、今までのように東京一極集中型の経済では成り立たないのではないかと思っています。

今までは生活水準を上げようとすると、給料を上げることを考える。でも、これからはお金や幸福に対する価値観が異なり、たとえば、大切に思う人と一緒に時間を過ごしたり、楽しく仕事ができることに幸せや充足感を感じる人が増えて来ると思います。

コロナショックを機に「個」に目覚めた新しいライフスタイルを模索しながら生きる人が増えてくるような気がします。ですから、時間をつくる価値、過ごす価値の方が大切でになってくる中で、僕は会社のスタッフには2週間の「大人のバケーション」を取るように推奨しているんです。

たとえば、文化を肌で感じることができるようなお店に足を運んで、貴重な気づきを手に入れたり、自分の人生を豊かにしてくれるヒントを探して旅をしたりするのも良いし、また、ときにはドレスアップしてお洒落なディナーを楽しむかと思えば、カジュアルなライフスタイルも満喫する。要するに、これからはお金の価値観に振り回されない、多様性に満ちたより豊かな生き方を選択する人達が増えてくると思います。


石原紳伍(兄):MAISON CACAO株式会社代表取締役社長・カカオディレクター。帝京大学ラグビー部の初代学生コーチに就任。卒業後は、広告会社の企画営業、ブランドクリエイティブ、社長秘書を経験。おいしさとサステナビリティへのこだわりからコロンビアに自社農園を持ち、「Farm to Customer」を実現。アートとサイエンスを掛け合わせ、今までにないチョコレートの提供と体験を演出し、常識にとらわれず、幅広くカカオの探求を行っている。

石原祥行(弟):MAISON CACAO株式会社取締役。株式会社リクルートライフスタイルにて飲食店の広告担当、数々の賞を受賞する。兄、石原祥行の起業に伴い、リクルートを退社し、取り締まり役として兄、紳伍の右腕として活躍。

文=賀陽輝代 構成=谷本有香

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