スウェーデン在住の日本人が帰国して感じる「11の至福」|前編

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6. 冬でも明るい


日本では当たり前のことだが、スウェーデンにいると毎年冬を、特に1月を、どう乗り切るかというのが切実な問題だ。

夏至の頃は夜中でも薄明るいが、逆に冬は朝の通勤·通学時はまだ真っ暗、夕方家に帰るときもすでに真っ暗という日々が続く。曇りの日が続けば、太陽を一度も見ずに2週間過ごすこともある。気持ちは落ち込むし、抵抗力も落ちて風邪をひきやすい。12月はクリスマスのイベントがたくさんあってワクワクした気持ちで過ごせるが、それが終わった1月はなんとかやり過ごす感じだ。


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この時期には、生きていることの意味すらわからなくなる。それもあって、わが家は年末年始に必ず日本に帰省することにしている。朝から明るいと、それだけで生きる気力が湧いてくる。特に東京は、冬でも快晴が多くて本当に気持ちがいい。真冬に真っ青な空を見ると、それだけで「ああ、生きててよかったな」と感じられる。

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久山葉子(くやまようこ)◎スウェーデン語文学翻訳者、エッセイスト。 高校時代に1年間AFSでスウェーデンに留学。東京のスウェーデン大使館商務部勤務を経て、2010年に日本人家族3人でスウェーデンに移住。現地の高校で日本語を教えている。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』、訳書多数。

文・写真提供=久山葉子 編集=石井節子

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