今回実現したのは、機械によるプログラミングの自動化だ。これによりプログラマーは、退屈で反復の多いさまざまなタスクを自動化できる。そしてこれを限界まできわめれば、動作させたいタスクを記述するだけで誰でもプログラミングが可能になる。
研究チームが開発した「機械推論コード類似性(MISIM)」と呼ばれるシステムは、あるソフトウエアについて、似通った動作をする別のコードとのシンタックスの違いを分析したり、コードの構造を調査したりすることで、どのように動作するのかを学び取る。
自然言語による指示を読み取って自動でプログラミングできるコンピューターというアイデアは以前から存在しており、いわゆる「ノーコード」運動の下でつくられたいくつかのノーコード開発プラットフォーム(NCDP)で既に実践されている。
サードパーティーの作成したコード、あるいはレポジトリやプラットフォームから取得したコードをベースにシステムを構築する企業は、ゼロからシステムを設計する能力を有するスタートアップ企業を筆頭に増えている。新型コロナウイルスの流行と分散ワークの普及が、こうしたタイプのプラットフォームやツール導入を促進したと指摘する声もある。
アマゾン・ドット・コムは今年6月、用意されたモジュールを組み合わせることでアプリケーションの設計・構築を可能にするサービス「ハニーコード」を立ち上げた。同様に、セールスフォース・ドットコムは「Lightning アプリケーションビルダー」、グーグルは「App Maker」、マイクロソフトは「フロー」や「パワー」といったサービスを提供している。さらに、ホームページ構築ツールの「WordPress(ワードプレス)」や、シンプルなタスク自動化ツールの「IFTTT」などもこの類に含められる。