広がる「ノーコード」 プログラマーが不要に?

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「ローコード」や「ノーコード」は今後主流になるのだろうか? 実は、こうしたプラットフォームはかなり前から存在していた。私も多くの人と同様に、初めてのホームページはプログラミングの知識が不要な「FrontPage(フロントページ)」や「Dreamweaver(ドリームウィーバー)」といったビジュアルツールで作成した。こうしたツールは、ウェブページの仕組みや特定の機能を実現するためのコマンド類を理解する役にも立った。

生成されたコードを見直す知識のないユーザーがこの手のツールを使用すると、メンテナンスや拡張、更新がしにくいフランケンシュタイン的なシステムができてしまうとの批判もある。また、知識不足によって起きるセキュリティーの問題や、プラットフォームそのものに簡単に悪用できる脆弱性がある可能性もある。

一方で、環境がますます複雑化し、一人の人物が習得するのには難しくなっている中、こうしたツールがシステムの開発やメンテナンス作業において開発者を支援でき、将来的にはプログラマーの役割と責任が監督者としてのものに限定されるだろうとする意見もある。

いずれにしても、より多くの人がシステムの設計・構築をできるようにすれば、そこには破壊のポテンシャルが生まれる。テクノロジーの進歩により、自然言語や図の形で実現したい機能を機械に読み込ませて必要なコードを生成させられるようになるのも時間の問題とみられる。つまり、メニューをクリックするだけで誰でも簡単に複雑なシステムを構築できるようになれば、従来のプログラマーは仕事を失う。ただ筆者の私見では、このような飛躍は当面起きないだろう。

編集=遠藤宗生

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