8月10日に逮捕された周庭。保釈後、今回の逮捕の「怖さはとんでもなかった」と語った(Getty Images)

香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で8月10日に逮捕され、翌日保釈された香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏が13日の深夜、自身のインスタグラムを更新し逮捕時の状況や想いについて日本語で明かした。

彼女の逮捕は日本でも大々的に報じられ、SNS上では「#周庭氏の逮捕に抗議する」や「#FreeAgnes」をつけて逮捕に抗議する投稿が相次いでいた。

インスタグラムの投稿で「正直、気分はまだ回復していない」と切り出した周氏。逮捕当日は既に9人が香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕されていたが、彼女自身も心の準備ができないままの逮捕だったという。


「どのような理由で逮捕されたのかわからない」


「10名以上の警官が同時にドアを叩き、ベルを押し、ロックを壊そうとした。あの日、9人が逮捕された後、次は私かもしれないなと少しは思った。でも、警察が本当に家の前に来た時、私は全く心の準備をできていなくて、パニックになり、震える手で友達に『police』の一文字を送った。それはあの時の私が唯一できることだった」

11日未明に更新された周氏の公式フェイスブックによれば、彼女は「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた罪」に問われたとされている。

2020年6月30日に施行された「国安法」は、最高で無期懲役が科されるなど厳しい罰則を伴う法律だが、条文に曖昧な表現が多いことがすでに問題視されている。例えば、外国勢力と協力して中央政府や香港政府に対しての「hatred(憎しみ)」を駆り立てることは処罰の対象とされているが、「憎しみ」などの曖昧な表現が条文に採用されることで、これまで保護されてきた言論も幅広く規制されるのではという懸念が拡がっている。

周氏の行動うちで何が容疑にあたるのかについて、香港警察は具体的なことを明らかにしていない。保釈後の会見で彼女は「国家安全維持法はまさに政治的な弾圧をするために利用したものだ」と語っていた。またインスタグラムでは、「結局、今でも、私は一体どのような理由で逮捕されたのかまだわからないし、いつ、どういう形で国家安全法に違反したかも、さっぱりわからない。この不透明さが、まさにこの政治的な罪の本質だと思う」と綴っている。

文=渡邊雄介

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