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KOKURYU JUNMAI DAIGINJO × ARAKI HIROHIKO

Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は7月号(5月25日発売)より、「黒龍 純米大吟醸」をご紹介。ほのかなラムネのような甘みと柑橘のさわやかさを感じさせるフレッシュな仕上がりの1本だ。


龍は言うまでもなく想像上の生き物であり、その由来は中国にある。その姿は、角は鹿、頭はらくだ、目は鬼、うなじは蛇、腹はみずち、うろこは魚、爪は鷹、手は虎、耳は牛に似ていると言われ、古来中国では権力の象徴、また瑞祥として皇帝の衣服などに縫い取られ、憧憬の的であった。

片や日本では、龍は信仰の対象となった。水を司る水神として各地で祀られ、竜神伝説を生んだが、そのなかでも有名なのは九頭竜川にまつわるものだろう。

889年に白山権現がその尊像を川に浮かべたところ、九つの頭をもつ龍に姿を変えて黒龍大明神の対岸に流れつき、それ以来、この川は九頭竜川と呼ばれるようになった、というものである。

その九頭竜川岸に蔵を構え、その名も「黒龍」「九頭龍」という酒を醸しているのは、福井県の黒龍酒造だ。1975年に初めて長期熟成による大吟醸酒をリリースし、のちの吟醸酒ブームの火付け役となった蔵元でもある。その代表銘柄である「黒龍」といえば、黒地のラベルに銘柄を金字の大胆な筆致で書かれたものが馴染み深いのだが、これは?

「『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家、荒木飛呂彦さんが『黒龍』のために描き下ろしたものだそうです」と、教えてくれたのは日本酒専門のバー「酒茶論」オーナーである上野伸弘氏。

「福井県では2010年から新しい酒米の開発に取り組んでおり、試験醸造の末、約8000種のパターンから選ばれたのが、この酒に使われている『さかほまれ』です。同様に福井県食品加工研究所で開発されたオリジナル酵母を使用しているこの『黒龍』はいわば“オール福井”の酒。福井県の17の酒蔵がそろってこの『さかほまれ』を使用した新アイテムをリリースしましたが、人気漫画家とのコラボラベルを発表するとは蔵元の気合を感じますね」(同)

その味わいは、ほのかなラムネのような甘みと柑橘のさわやかさを感じさせるフレッシュな仕上がり。

「和食のみならず、洋食にも合わせやすい。初夏の陽気のもと、テラスなんかで楽しめたら最高ですね」

荒木飛呂彦氏が描く、美しくも勇猛な黒龍の姿に、新型コロナウイルスからの平癒を祈りたい。1日も早く、友と、仲間たちと、美酒を酌み交わせる日を取り戻せますようにと。

KOKURYU JUNMAI DAIGINJO x ARAKI HIROHIKO 黒龍 純米大吟醸x荒木飛呂彦


容量 
720ml
度数 16度
価格 5000円(税別参考小売価格)
問い合わせ 0776-61-6100(黒龍酒造)

photographs by Yuji Kanno | text and edit by Miyako Akiyama

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