バイデン推す米有権者、大半は「トランプではない」が支持の理由

ジョー・バイデン前副大統領(Drew Angerer / by Getty Images)

米民主党の大統領候補への指名を確実にしているジョー・バイデン前副大統領を支持する人たちは、その過半数が同氏を選ぶ理由として、「ドナルド・トランプ大統領ではないこと」を挙げていることが分かった。

米調査機関ピュー・リサーチ・センターが登録有権者を対象に行った調査の結果は、バイデンへの支持は掲げられている政策や過去の実績に対する評価というよりも、トランプに対する反感を表わしたものである可能性が高いことを示唆している。

調査は7月27日から8月2日に登録有権者を対象に実施。回答者のうちトランプまたはバイデンを支持していると答えた2028人に、「支持する理由」を尋ねた。

バイデンを支持する理由を「トランプではないから」と答えた人は、56%にのぼった。2位の「リーダーシップがある/実績」を挙げた人は19%で、かなりの差がついていることが分かる。3番目に多かった理由は、「人柄・性格」(13%)だった。

一方、トランプを支持する人の回答をみると、より多くの理由が挙げられている。最も多いものから順に、「リーダーシップ/実績」(23%)、「課題への対応/政策」(21%)、「バイデンではない」(19%)などとなっている。

そのほか調査では、米国の有権者のうちバイデンを支持する人は53%で、トランプ(45%が支持)を8ポイント上回っていることが分かった。

政策論より精神論?


バイデンが有権者に向けて特に強く訴えているのは、主要な政策として掲げる国民皆保険制度(メディケア・フォー・オール)以上に、“トランプ以前の米国”へのノスタルジアだ。

バイデンは一貫して、「米国の魂を取り戻す」ため、分裂と内輪もめにうんざりしている国民を一つにまとめるために出馬したと言い続けている。

また、バイデンが副大統領候補に選んだカリフォルニア州選出のカマラ・ハリス上院議員も12日に行った演説のなかで、「過去数年間は本当の米国、国民がそうありたいと願う米国の姿を表わすものではないことを証明するだけの支持が必要だ」と主張。バイデンと同様の考え方を強調している。

バイデンはこれまで、ほとんど記者会見を行わず、イベントも開催してこなかった。バイデン陣営の顧問アニタ・ダンの相談役ヒラリー・ローゼンは、政治専門サイトのポリティコに対して選挙戦略を説明するなかで、「トランプにはトランプと闘わせておけばよい」と述べている。

これに対してトランプ陣営は、バイデンが選挙のためのイベントも行うことなく「自宅の地下室にこもっている」と非難している。

編集=木内涼子

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