ビーチは再び閉鎖も。ハワイ在住者は今年の夏休み、どう過ごす?

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オアフ島でクラスター発生。ビーチ閉鎖など再規制も


この感染者急増の背景には、経済活動が再開されたことも当然あるが、夏休み期間で人々の緊張が緩んだこともあるだろう。

ハワイの人々にとって、ビーチは家族や仲間たちと過ごす憩いの場。ロックダウンではそんなくつろぎの場が閉鎖され、おまけにパーティなどのグループでの集会が禁止されたため、我慢を強いられた辛い期間だったはずだ。そしてロックダウンが解除されビーチも開放されると、週末にはバーベキューパーティをしている人々をよく目にするようになっていった。またオアフ島の複数のバーでクラスターが発生。気が緩んだ人々の間で、感染が広がっていった可能性が考えられる。

それに加え、アメリカ本土でも夏休み期間である7月は、例年の数に比べればずっと少ないものの、ハワイへの訪問客も増えている。5月のハワイ訪問者数は一日平均300人ほどだったが、8月7日にハワイに到着した訪問者数は893人。ハワイ州外から訪れた人には14日間の隔離義務があるが、全ての人がそれらを守っているかどうかは定かではない。そしてハワイ以上に感染者が急増しているアメリカ本土の地域から、ハワイを訪れている人がいる可能性も否定できないのだ。

そしてこの急増を受けて、再びさまざまな規制の動きが出ている。7月31日からはオアフ島のバーが3週間の営業停止、レストランでは午後10時以降のアルコール提供が禁止。8月3日からは屋内、屋外を問わず10人以上の集会が禁止。8月8日から9月4日まで、オアフ島の市営、州営の公園とビーチが閉鎖。8月11日から、ハワイ諸島間の移動で14日間の自己隔離措置が講じられている。

ハワイの夏休み
賑やかなビーチが恋しい (Getty Images)

今年の夏休みは「ステイホーム」で心を休める


では2020年の夏休みをこれから取ろうと考えていたハワイの人は、どう過ごすのだろうか。

新型コロナウイルスの影響で、日本とハワイの定期直行便はいまだに運航しておらず、また感染拡大のことを考えると、日本やアメリカ本土などの遠方に旅行に行くべきではないだろう。またネイバーアイランドへの小旅行という方法も、ハワイ諸島間の自己隔離が再び行われたこともあるが、感染を拡大させる可能性があるため選べない。おまけに公園もビーチも閉鎖されてしまったいま、ハワイでの夏休みは自宅周辺で過ごすという方法しか選択肢はないのが現状だ。

筆者は週末になると、海沿いをランニングしたりビーチでのんびりしたりする。しかしビーチが閉鎖されてしまった今は残念だが、我慢するしかない。それに連日増加する感染者数を見ると、さまざまな規制で小さなストレスは感じるが、「できるだけ外には出かけず、家にいよう」という気持ちが芽生えてくるのが正直なところだ。

遠くから群青色に輝く海を眺めて心を休め、2020年の夏休みは静かに自宅で過ごそうと考えている。そして急増する感染者が落ち着き、観光客であふれ活気あるハワイが再びやってくることを信じたい。

ダイアモンドヘッド
ダイヤモンドヘッド周辺の住宅地。ビーチが閉鎖されても、眺めは美しい (Unsplash)

文=佐藤まきこ

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