ビジネス

2020.08.15

パンデミック下、ファストフード業界の勝ち組と負け組が明らかに

Photo by Noam Galai/Getty Images

新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴うシャットダウンや規制は、あたかもパッチワークのキルトのように、継ぎ接ぎ的に行われている。そうした状況にファストフード企業がどう対処しているのか、その良し悪しを判定するのは難しいし、公正な判定はそもそもできないかもしれない。

とはいえ、「QSRマガジン」は、クイックサービスレストラン(ファストフード)やファストサービス提供店の2020年版トップ50ランキングを発表した。そして今年のランキングでは、いくつかの動きがあった。

QSRのランキングは、3月から5月までにレストランから得た情報と、証券取引委員会への提出書類、そして、調査会社フードサービス・リザルツ(FoodserviceResults)のデータを基にしている。

2020年のトップ5を見ると、マクドナルドが首位で、そのすぐあとにスターバックスが続いている点は以前と変わらない。ところが、3位にはチックフィレイ(Chick-fil-A)が入っている。QSRによれば、チックフィレイはパンデミックで底力を発揮しているという。

チックフィレイは、5位だった2019年から2ランクアップした。そして、2ランクアップするのは過去2年で2度目だ。

QSRは、「チックフィレイほどの顧客ロイヤルティを得ている主要クイックサービスレストランは、ほかにない」と述べている。チックフィレイは、閉鎖命令により店内飲食スペースの閉鎖が余儀なくされているあいだ、ドライブスルーレーンをうまく活用できたとQSRは指摘している。

QSRによれば、チックフィレイはすぐに行動を起こし、あらゆる種類のイノベーションを採り入れたという。例えば、各種のメイン料理、サイドメニュー、ドリンクを13.25ドルからの価格で組み合わせられる「ファミリー・ミール」セットを早い段階で導入した。

また、ドライブスルーやデリバリーでのミールキット提供に力を入れ、料理ビデオシリーズ「ナイティ・ナゲッツ(Nightly Nuggets)」を開始して、自社メニューの商品を使った簡単なレシピを紹介した。

チックフィレイは、重要な指標であるフランチャイズあたりの売上でも好業績をあげている。トップ5のライバルたちをはるかに上回り、2019年の売上は推定450万ドルにのぼるとQSRは見積もっている。

参考までに、QSRの推計によれば、マクドナルドのフランチャイズあたりの売上は290万ドルだった。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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