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バイデン政権の対中政策を予想


バイデン政権が誕生すれば、米中貿易戦争における関税合戦が終わるであろうことは誰もが賛成している。投資銀行UBSによれば、バイデンは「グローバリスト」的アプローチをとり、多国籍企業のアップルやナイキを大喜びさせるだろう。

しかしことによると、戦略的サプライチェーンを狙い撃ちする可能性もある。そうなれば、家電製品への関税が引き下げられる一方で、薬学分野の供給品や、もしかしたら風力タービンや太陽光パネルなどの製品の関税が引き上げられる。

米国政府はすでに、中国を戦略的競争相手だとみなしており、これについては超党派で支持が得られている。従って、バイデン政権が誕生した場合、1年目は対中貿易戦争には手をつけず、ロックダウンで打撃を受けた経済の回復に一層注力する可能性があるが、その一方で、対中関係はいくつかの重要な障壁にぶつかるだろうと、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が先日発表したリポートには書かれている。

EIUリポートの作成者は、こう述べている。「私たちは、バイデン政権が現行の関税措置を、一部において緩和すると見ている。特に、代替品が見つけにくい米国の企業や家庭向けの中国製中間生産物だ」

代わりにバイデン政権は、ほかの手段を用いて、米国の産業を支援するとともに、中国の貿易慣行に対抗するだろう。

EIUはさらに、バイデン政権は中国の対米投資、とりわけハイテク分野への投資を精査(あるいは排除)すべく努め、米国企業が機密技術を中国に輸出するのを防ぐだろうと見ている。

バイデン政権は、ヨーロッパならびにアジア太平洋地域との外交関係を強化し、同盟国に働きかけて、中国政府によって管理された各国への投資(とりわけハイテク企業への投資)について精査を強化するよう、呼びかけるかもしれない。

安全保障をめぐる米中の緊張関係は継続するだろう。バイデンは対中外交政策を、米中央情報局(CIA)と国防総省にゆだねると見られている。ただし、人権や南シナ海といった問題への取り組みは、バイデン政権の誕生当初は優先されないだろう。就任直後は国内情勢に集中する結果、当面は貿易戦争で中国に勝ちを譲ると見られる。

新型コロナウイルスのパンデミックと、それがもたらした経済的・社会的・政治的な影響については「早急な対応が迫られており、バイデン政権1年目の大半がこれに割かれるだろう。よって、対中外交政策が後回しになるのは避けられない」とEIUは述べている。

ブレトンウッズ・リサーチ(Bretton Woods Research)の創立者ウラジミル・シニョレリ(Vladimir Signorelli)は、バイデンが大統領選で勝利した場合、「私は中国株を買い続ける。米国資本のおかげで中国は拡大し続けるからだ」と話す。「中国人民銀行は、何が起きようが中国経済を支えるだろう。それは中国のやり方の一部だ」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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