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挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング


中途採用で事前に想定しておくべき課題
Peeradon payakpan / Shutterstock.com

新たな会社のカルチャーや仕事の進め方などに適応できない


新卒一括採用は日本社会特有の年功序列と終身雇用を下支えする制度だが、この制度は日本の労働市場の流動性を抑え、単一的な企業文化や会社固有のルールなどが知らずのうちにできあがっている会社が多い。

これは自社の文化が外から見れば「独自」であることはもちろん、既に他社の企業文化やルールが染みついている(可能性が高い)既卒社会人は、それらをアンラーニング(既存の価値観を捨て、新たなものを取り入れること)しなければならないことも意味する。中途入社する社員のカルチャーフィットが新卒社員に比べて難しい理由の一つだ。

現状では、採用する側の会社が多様性を受け入れる土壌が整っていないことがまだまだ多いのではないだろうか。中途社員が持ち込んだカルチャーとの融合ができない場合、短期間での離職に繋がりかねない。

上で「融合」と書いたように、こうした受け入れ側の変化は他社の良い文化を取り入れるチャンスでもあるので、こうしたリスクを恐れてせっかくの即戦力獲得に乗り出せないのはもったいない。

まずは「共感、共有してもらいたいカルチャーの土台」を採用基準として規定し、面接などをとおして入社前に評価、擦り合わせを行い、その上で採用を決めることをおすすめする。

好条件を用意しなければならない


中途採用を「即戦力」とうたう以上、往々にして新卒から育て上げた優秀な社員と同等、あるいはそれ以上の好待遇でないと採用しづらいだろう。

最近は特にエンジニアや専門性の高いマネージメント職など、需要に対して供給が不足している人材の市場価値が高騰している傾向だ。そのため、中堅・中小企業が大手との人材獲得競争を繰り広げる場合、マネーゲームに陥るケースもある。

また、そうした競争の末に獲得した人材でも、既存社員の報酬の水準と隔たりがある場合、既存社員のモチベーション低下にも影響しかねない。かといっていきなり全社の給与水準を引き上げれば財務にダメージを与えることになる。

そんな状況下でも直近で即戦力を獲得したい場合、「ベース給与以外の条件」を調整して交渉にあたる方法も一つの手段だ。

例えば「サインアップボーナス(入社準備金)」や「試用期間満了時ボーナス」、あるいは「出来高ボーナス」や「ストックオプション」など、下げることが難しい基本給ではなく、支給の有無自体が会社側でコントロールしやすい一時金としていわゆる“できあがり”を調整するのも有効であろう。

大量採用には向かない


繰り返しになるが、日本の労働市場の流動性はいまだ高くない。そうでなくても、なかなか両者の思惑が一致して入社にいたるのは簡単なことではない。あなたの会社がもし急速に拡大していたり、新規事業の立ち上げを多くの新規採用者で賄おうという計画であれば、中途採用だけで対応するのは難しいだろう。

もしそういうフェーズにあるのであれば、大票田である新卒採用でも安定的に人材を確保し、社内で育てる環境をつくることも一つだ。また、派遣や業務委託、場合によってはインターンなど、さまざまな雇用形態を多角的に検討してみる必要があるだろう。

採用過程のポイント:「採用要件」と「採用基準」


中途採用の選考で重視される基準は、候補者のこれまでの職歴、仕事の成果、スキルなどである。とはいえ、単に「ピカピカの経歴」や「スペックが高い」ことと自社に適した人材かどうかは別だ。

そこでポイントになるのが冒頭で挙げた「採用要件」と「採用基準」だ。これらの確立は採用活動を成功させる上で重要な要素となる。

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文=小野祐紀

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