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──それはまさに、デュアルライフやワーケーションの効用としても注目されている部分ですね。そうした暮らしや働き方は、人々どんな好影響をもたらすとお考えですか。

必要のない我慢や無駄がどんどん省かれていくと思います。これまでは、満員電車で通うことも仕事の一部だと思っていた人たちが、「いらない修行はいらない」という考えにシフトしていくと思うんです。

私も毎月飛行機に乗ってカンボジアへ行っていましたが、もし今でも同じ仕事を続けていたら、きっとリモートに切り替えていたと思います。飛行機に乗っている移動時間や交通費もかからなくなるわけで、ウィズコロナならではの合理的な活動の仕方、エコ合理性みたいなものが拡まるような気がします。

ストレスのなかでひたすら働くのは、もうなくなるかなと。学生さんからキャリア相談を受けた時に、以前はよく「若いうちに働いておけば自分貯金ができるから、たくさん働いた方が良い」と言っていたんですけど、もしかしたらその考えも、もう古いのかもしれないと思い始めています。



──これから必要なものは何でしょうか。ビフォーコロナとウィズコロナの違いについてお聞かせください。

ゆったりとした中で生まれてくるもの、自分と向き合う中で生まれてくるものが、より意味をなしてくる気がしています。

特にコロナ禍では、人間はどちらかというと内的な方向に目が向きやすくなりました。これは決して悪いことではなく、私は内向きな力がつけばつくほど、相手に対して思いやりを持ったり、相手のニーズを汲み取ったりする力が伸びると思うんです。

オンラインで繋がることで、顔の見えない誹謗中傷がもたらす社会課題も見えてきています。でも、もっと自分と向き合うことで、優しさを育てて欲しい。身体の声を聞く力を持つことで、心身ともに健康になってほしい。そうすることで、「ひたすら働く」から、自分が埋めるべき『社会の穴』が見え、パフォーマンスの高い仕事ができるようになると思います。

そのためにも、わたしは、自分たちが住んでいる場所に目を向けることが大切ではないかと思い始めています。小さいコミュニティを形成する場所、そして人。そういう小さなコミュニティをできるだけ心地よくしていくことの重要性が、これからますます高まっていくと思います。


楠見敦美◎アツミ・アンド・カンパニー代表取締役CEO。日本女子大学家政学部住居学科、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(MBA)卒業。株式会社住宅産業研究所、ソフトバンク株式会社、シニア専門コンサルティング会社取締役、株式会社カジタク取締役COO兼CFOを経て現職に。外食やメディアを中心とした幅広いネットワークが強みであり、事業の傍ら、主婦の力を活用した地域自立支援コミュニティモデルの構築を目指した業界団体であるホームプロデューサー&アテンダント協会の代表理事を務める。経済産業省家事支援サービス協議会委員。

文=伊藤みさき 構成=谷本有香

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