小規模経営の不動産オーナーを顧客にする既存の企業は、賃貸経営に関する一部の領域に限定してサービスを提供するケースが大半だった。これに対してZiboは、一連の機能を包括的に提供する。
Ziboは、独自のアルゴリズムとテクノロジー・プロバイダーの両方を活用し、複数の銀行口座と送金記録をセキュアな形で結合し、オーナーの金銭のやりとりに関する履歴を1つにまとめている。
さらにZiboのプラットフォームは、ローンおよび保険の申請に関する書類申請を迅速化し、税務書類の作成を支援するための情報も管理する。
今回の資金調達を主導したカナン・パートナーズのゼネラルパートナー、リッチ・ボイルは声明で、「テクノロジーを活用したシンプルで効率的なZiboのプラットフォームを用いることで、賃貸不動産のオーナーは、財務管理を改善し、さまざまなプロセスを自動化できる」と述べている。
黎明期にある、小規模オーナー向けの不動産テクノロジー
テクノロジー分野でキャリアを築いていたシューが、「満足なサービスを受けられていない不動産オーナー」向けのプラットフォームを構築するというZiboの構想を思いついたのは、同社のもう2人の創業者とタッグを組んだ2018年末のことだった。
現在、Ziboは34人の従業員を擁する。プロップテックとも呼ばれる不動産テクノロジーは、急速に勢いを増しているが、シューが期待をかけるオンライン・ディスラプション(既存のサービスや市場を破壊するような画期的なイノベーション)は、まだ始まったばかりだ。
「これまでオフラインで行われてきた簿記、決済、賃貸人や請負業者とのやりとりなどの業務をデジタルの世界に移行するプロセスは大規模なものであり、数年はかかるだろう。我々はその出発点に立っており、Ziboはまさにその中心にある企業だ」とシューは語った。