バイオ技術が生んだ、母乳成分にきわめて近い乳児用粉ミルク

Steven Errico / Getty Images


コナジェンのラクトフェリンは、乳児用の栄養素として以外にも応用がきく。世界では、人口のおよそ30%が鉄分不足だ。コナジェンのラクトフェリンは、子どもから大人まで幅広い年齢層の鉄分吸収を助ける栄養補助食品にもなりうる。

また、ラクトフェリンには骨髄の成長を促す働きもあるので、コナジェンが開発した新しいラクトフェリンの分子構造は、製薬業界が関心を寄せる別分野の発展を後押しする可能性もある。

コナジェンの微生物プラットフォームは、製造という視点から見て、乳児用粉ミルク市場の勢力地図を塗り替える可能性をも秘めている。コナジェンの技術は、コスト効率に優れ、持続可能だ。規模の拡大と同時に、ダウンストリームの精製過程を簡素化することもできる。

コナジェンの科学革新責任者リチーク・ニレイ・ムカジー(Richik Nilay Mukherjee)博士は、「私たちのプラットフォームを推進する主な原動力は、スピード、コスト、質だ」と話す。「私たちは自然からインスピレーションを得ている。それが、迅速で、持続可能で、コスト競争力のある方法で科学を活用するという私たちのビジョンの原動力となっている」

コナジェンのラクトフェリンは、粉ミルクへの配合用として、米食品医薬品局(FDA)の承認を待っている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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