ビジネス

2020.08.14

マスクにアートを。約1カ月で進んだ異例のプロジェクトの舞台裏

アーティストの五木田智央がデザインしたマスク


味気ない毎日を彩る多種多様なファッションマスク


──商品ラインナップをみると、かなり多種多様なテイストのデザインがありますよね。取り扱っているマスクには、どのようなコンセプトが込められているのでしょうか。

頭山:コロナウイルスが流行し、世界的に今までの常識や価値観が変わりました。マスクの着用が義務化された結果、マスクの持つ味気ないイメージがより強くなった気がします。一歩家を出ると誰もがマスクをつけている上に、無地の白や黒、グレーなど、基本的には地味なデザインのものばかり。そこで、もう少しファッションの一部として楽しめるマスク、そしてファッションと同じように、着用する人の気分が上がるようなマスクをつくりたいと考えました。

また、今までマスクは消耗品だったので、いつの間にか失くしてしまったり、すぐに捨ててしまったりすることが多かったと思います。「The Masks」は国内で開発されたポリエステル素材を使用し、繰り返し洗って使用でき、衛生的にも経済的にもいい。その上、好きなアーティストのマスクや、気に入ったデザインのマスクなら愛着も湧くし、大切に使うようになるのではないかと思いました。

それに、純粋なアート作品はかなりの値段がしますが、『The Masks』の商品は1つ3000円程度。マスクを購入することで、好きなアーティストのサポートになったり、アート作品を購入する一歩としていいアクションになったりすると思います。また、着用せずにアートとして楽しむこともできる。アート好きの方にも喜んでもらえると思います。

川村:「世界的に活躍する五木田智央さんや鈴木親さんの作品を顔に乗せられる」と考えると、すごいですよね(笑)。

──たしかに、コラボしたアーティストに目を向けると、かなり豪華な顔ぶれです。

頭山:私たちはアートの世界で名が知れている団体ではないですし、ましてや扱う商材はマスクです。アーティストに私達のプロジェクトについて説明をするのが難しいなか、アーティストが尊敬するアーティスト、また今後のプロジェクトの展望を考えて、国内外で活躍しているアーティストが参加を表明しているというところが、重要なポイントだったと思います。あとは、本当に自分が好きなアーティストの作るマスクが個人的に見たかったのも強かったです。

例えば、今回の第1弾で参加していただいた五木田智央さんは、国内外で高い評価を受けていて、アーティストの方達からの信頼も厚い方です。個人的にも本当に大好きなので、そういった部分も含めて「五木田さんのデザインを絶対に第1弾で出したい」と熱い思いを持っていました。アプローチさせていただいて、参加のお返事をいただいた時、嬉しさのあまり大声で叫んでしまいました。
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文=倉益璃子 人物写真=小田駿一

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