ビジネス

2020.08.17

マイクロツーリズム時代に求められる「広報」の力

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メディアが興味を持ちやすい魅力...それは一体どんなものでしょうか。経験上「これだ」と思ったものを以下にあげてみます。

<メディアが興味をもってくれやすい10の切り口>

1)今までになく、あっと驚くようなもの
2)多くの人が名前を知っており、関心があるもの
3)社会に対して影響を与えるもの
4)人間味があって感情に訴えるもの
5)時代的に意義があること
6)読者や記者が身近に感じられる地域性があるもの
7)旬(社会が注目している)な話題であること
8)流行っているもの
9)便利なこと、役にたつこと
10)物語性があるもの

私がオススメするやり方は、上記に当てはまる魅力を探すか、なければ新しく作るか、もしくは、その切り口になるように「ひねり」を入れることです。



身近なところから情報を届ける


広報には、いくつかのテクニックがありますが、純粋に「情報を伝える」だけなら特別なスキルは不要です。変な言い方ですが、こちらも人間、あちら(メディア)も人間。どうやったら伝わるのかと考えて行う通常のコミュニケーションを取ればよいだけです。

吉田焼の場合、最初は少し手ほどきしましたが、今は彼ら流のやり方で、どんどん情報発信をしています。当時を振り返りながら、何を行ったのか、詳しくみて見ましょう。

まずホームページ作成です。吉田焼では6軒ある窯元のうちホームページがあるのは1軒だけでした。ホームページはネット上にある「表札」のようなもの。凝った造りでなくても、商品と自己紹介それに住所を記載した、たった1ページがあるだけでも充分役に立ちます。

今は無料でホームページを開設できるサービスがあるので誰でも作れますが、持っていない人にしてみれば、いつでもできるからと後回しになったり、ITの苦手意識もあり、なかなか手が出にくかったようです。5軒の窯元もそうだったので、合同で勉強会を行い、わずか3時間でホームページを作ってしまいました。


窯元が自力で作ったホームページ。(中央上段のHPは元々持っていた窯元のもの)

次に、各窯元の工場の前に、路面を通る車や人に気がついてもらうためにロゴをつけたノボリと看板を設置しました。(冒頭の写真を参照)この効果は意外に大きく、情報をまったく知らない通りかかりの人にも「なにか楽しそうなものがある」と訴求できます。

少しハードルは高いのですが、トライして欲しいのは、オープン前に地元の皆さん向けに「内覧会」、地域のメディア向けに「プレス発表会」を実施することです。これは組織力やイベント企画力がいるかもしれませんが、一度、やってみればコツがつかめると思います。
次ページ > 「内覧会」と「プレス発表会」

文=南雲朋美

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