「バイデンは警官を選んだ」 副大統領候補に民主党左派が反発

カマラ・ハリス上院議員(Photo by Alex Wong/Getty Images)

米大統領選で民主党候補指名を確実にしているジョー・バイデン前副大統領は11日、自身の右腕となる副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)を選んだと発表した。この人選について、民主党支持者の多くが歓迎の意を示した一方で、左寄りの支持者の多くの反応は冷やかだった。米国では現在、不公平な刑事司法制度に対する問題意識が高まっており、一部の人々はそうした中で検事出身のハリス議員が起用されたことを批判している。

ソーシャルメディア上では、2011~17年にカリフォルニア州司法長官を務め、同州の「トップ警官」を自称していたハリス議員の経歴に対する批判が投稿された。

左派政治団体グラベル・インスティテュートは「ジョー・バイデンは警官を選んだ」と指摘。政治団体「アメリカ民主社会主義者(DSA)」のロサンゼルス支部もハリス議員を「警官」と呼び、「われわれの立場は常に『警察を解体せよ』というものだ」と表明した。

民主党予備選で急進左派バーニー・サンダース上院議員の広報を担当したブリアナ・ジョイ・グレイは、ハリス議員の起用は「支持層に対する侮辱」だと主張した。ただサンダース議員はツイッターへの投稿でハリス議員に祝意を表明し、「彼女は労働階級を支援し、誰もが医療を受けられる制度のために闘い、歴史上最も腐敗した政権を終わらせるために何が必要かを理解している」と述べた。

「スクワッド」の通称で知られる民主党の急進派下院議員、アレクサンドリア・オカシオコルテス、イルハン・オマル、ラシダ・タリーブ、アヤンナ・プレスリーの4人は普段は活発な情報発信を行っているが、ハリス議員の起用に対しては異例の沈黙を見せ、発表から1時間近くにわたりコメントを出さなかった。

翻訳・編集=遠藤宗生

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