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Zapp2Photo / Shutterstock.com

ベトナムの著名ビリオネアが率いるコングロマリット「ビングループ(Vingroup)」は、昨年末から大手小売チェーンの支配権を手放し、自動車製造やスマートフォン関連への注力を進めてきたが、今年上半期の利益は60%の減少となった。

ビングループの広報担当者は8月4日、2020年上半期の税引き後利益が5830万ドルとなり、売上は37%減の16億7000万ドル(約1770億円)だったと発表した。

昨年12月、ビングループは小売大手のMasan Consumer Holdingに、VinMartの2600店舗を譲渡し、自動車製造とスマホ関連事業にフォーカスすると発表していた。ビングループの製造部門の今年上半期の売上は2億6600万ドルに達し、前年同期の3倍に増加したという。

同グループ傘下の自動車メーカー「ビン・ファスト(VinFast)」は昨年6月から車両の販売を開始し、製造部門の売上の急拡大に貢献した。ビン・ファストは昨年、6万7000台以上の車両の受注を受けたが、そのうち5万台が電動オートバイだったと現地メディアは伝えている。

同社は今年第1四半期に5000台以上を販売し、ベトナム5位の自動車メーカーに浮上した。ベトナムでは新型コロナウイルスのパンデミックを受けて1カ月に渡る都市閉鎖が実施され、第2四半期の業績にダメージを与えている。

ビングループの会長を務めるのはベトナムのトップの富豪のファム・ニャット・ブオン(Pham Nhat Vuong)で、同社の2019年全体の売上は約55億ドルだった。ニャット・ブオンの保有資産は57億ドルと試算されている。ビングループはショッピングモールや、リゾート開発などの不動産事業や、大学の運営も手がけている。

ビン・ファストは当初、昨年9月から自動車の製造開始を計画していたが、スケジュールを早め、6月から生産を開始していた。「昨年の上半期は車両の納品を開始しておらず、スマートフォン事業もさほどの成果を収められていなかったため、製造部門の売上は今年上半期を大幅に下回っていた」と広報担当は述べた。

ビングループ傘下のビン・スマートが製造するスマホは、ベトナム市場で売上を伸ばしており、Vsmartブランドの端末はサムスンやOPPOに続く国内シェア16.7%を達成している。ビン・スマートは先月、5G端末の発売をアナウンスした。

しかし、アナリストの間からはビングループの製造部門が今後、伸び悩みに直面するとの見方があがっている。ホーチミン本拠の調査企業Infocus Mekong Research創業者のRalf Matthaesは、ビン・ファストが売上を高級車に頼っている限り、成長を続けるのは難しいと指摘した。

ベトナム経済は急成長を遂げてきたが、パンデミックを受けて今年第2四半期は大きな打撃を受け、高級車の売上は急落した。ビン・ファストの車両は、一部の輸入車以上の売上を記録しており、今後は新たな高級車のVinFast Presidentと呼ばれるモデルを発売しようとしている。

編集=上田裕資

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