VCのインサイト

新型コロナウイルスが最初に世界中で急速に広がり始めた3月頃は、まだ不確定要素ばかりで先が見通せない状況でした。どれくらい大きな影響を及ぼすのか、そしていつまで続くのか、本当のところは誰にもわかりませんでした。

私たちも、スタートアップへの影響についてLP投資家たちから聞かれましたが、正直なところ、当時の段階ではまだ判断することが困難でした。幸いなことに、私たちが投資しているスタートアップのほとんどはランウェイが十分にあったので、仮に状況が長引いたとしても、しばらくは耐え抜くことができそうでした。

この危機的状況に突入してからもう何カ月も経ちますが、おかげで前よりずっと正確に状況が把握できるようになりました。まず、前提として、私たちは当分の間このウイルスに悩まされ続けることになりそうです。しかし、私たちが投資しているスタートアップの多くはすでに今の「ニューノーマル」に適応していて、その中で様々な興味深い変化が起こりつつあります。そして、それは悪い変化ばかりではありません。投資先のスタートアップの追い風になっているものもあります。

最も顕著な変化は、あらゆる業界における「デジタル・トランスフォーメーション」の加速です。医療や物流、保険、行政など、業界を問わず、誰もがこの状況に適応するためにテクノロジーを新しく取り入れざるを得なくなっています。その結果、テック界ではかつてないほど需要が高まっています。

Amazon、Apple、Facebook、Alphabet(Google)および Microsoftを差し引いたS&P 500の推移をグラフ化すると、以下のように、この変化を表す面白いトレンドが見えてきます。



テクノロジーの浸透はいずれあらゆる業界で進むと以前から言われていましたが、コロナによってその浸透スピードが年単位で加速したと思われます。具体的には、1年間のウィズコロナには、コロナがなかった場合と比べて3年早いペースでデジタル化を進める効果があると私は考えています。

ベンチャーキャピタリストたちも最近急に「デジタル・トランスフォーメーション」へ投資することについて話し始めましたが、以前からずっとその分野に投資してきているはずなので、個人的には不思議でなりません。私たちは常にテクノロジーに積極的に投資を行ってきました。そして現在、新型コロナウイルスが私たちの投資先にとって追い風になっているだけです。

文=James Riney

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