Densityは建物のエントランス付近に設置するセンサーを開発し、ビルの混雑度の把握を可能にする。同社のテクノロジーはビルのエネルギーコストを削減し、セキュリティを高めるためにも活用できる。
「新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、企業は様々な課題に直面しているが、当社のテクノロジーはコスト削減や、従業員の安全管理面で役立つものだ」と、Densityの共同創業者でCEOのAndrew Farahは話す。
同社のデバイスは玄関付近から赤外線センサーを照射し、人々だけでなく持ち込まれる荷物のサイズも把握している。収集したデータを分析すると、建物内の混雑度をリアルタイムで把握できる。
Densityは個別のセンサーを895ドルで販売し、データへのアクセス費用として年間795ドルを徴収している。新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、同社のテクノロジーへの需要は急激に高まった。
Densityが今年第1四半期に販売したセンサーの個数は、昨年1年間の販売個数を上回った。2020年第1四半期の売上は前年同期比で500%の増加になった。
Kleiner PerkinsのIlya Fushmanは、パンデミック後に企業のテクノロジー導入が一気に加速したと話す。「Densityのテクノロジーは、従業員の安全を維持したい企業にとって必須のものと言える。この技術を用いれば、企業はコロナ後のコストを大幅に削減することも可能だ」とFushmanは述べた。
Densityの顧客企業としては、ペプシやマリオット、ウーバー、エクソンモービル、ベライゾンなどがあげられる。
2014年に大学の仲間たちが立ち上げたDensityは、7番目のプロジェクトとして現在のプロダクトを発案したという(それ以前は、ジェスチャーで操縦するドローンを開発しようとしていた)。
創業チームはある日、スマホで建物内のWiFiシグナルの数を測定するプロトタイプの実験を進めていたところ、偶然にも、5階下のバーの人数をカウントすることに成功し、3年後にそのアイデアを商品化したという。
サンフランシスコ本拠のDensityはフルタイムの従業員50人を抱えている。同社は2014年のシードラウンドで80万ドルを調達し、2016年のシリーズAで400万ドル、2018年のシリーズBで1900万ドルを調達していた。
今回のシリーズCの5100万ドルを加えると、Densityのエクイティ調達の累計額は7500万ドル近くに達している。