イチジクとリンゴ 「禁断の果実」という問い

Getty Images


話は戻り「禁断の果実」とは、どういう意味で言われてきたのか? 一般的には、不法・不道徳な快楽や耽溺を表すメタファーとして使われますが、個人的には違う意味もあるのではないかと考えています。

というのも、果物は若い時に食べれば瑞々しく、少し待てば糖度が増して甘く、さらに乾燥させればまた別の美味しさを持つので、いつ食べれば良いのか試されているような、自然との知恵比べをさせられているような……。判断を問われているのではないかと思います。


Getty Images

さて、Apple社のロゴは、その禁断の果実です。リンゴの右側かじられているのですが、ここまでの文脈で考えると、アダムとイブのようにかじることで知恵を得ることができるというメッセージなのか、とついつい考えてしまいます。

そして、このリンゴは前歯でかじったのか? それとも奥歯で噛んだのか? 僕自身はここ最近、歯科や脳神経の医師の方々と話をする機会があるのですが、咀嚼と脳は連携して、噛むのが前歯なのか奥歯なのかで影響を受ける脳の部位も異なるため、そんな問いも次々と生まれてきます。

たかがイチジク、たかがリンゴかも知れませんが、歴史から、栄養から、または食べるという行為そのものも見直すことから、新たな気づきになるのではないかと思います。

連載:喰い改めよ!!
過去記事はこちら>>

文=松嶋啓介

ForbesBrandVoice

人気記事