国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


日本メーカーで出展していたのは、マツダのほか、トヨタとホンダのみ。トヨタはセリカにスポットを当て、1973年の初代「セリカLB」、1990年のサファリ・ラリーを制した「セリカGT-FOUR」や、北米のIMSAに参戦した「セリカ・ターボ」など、ファンにはたまらないレースマシンなどを展示していた。

また、ホンダは、1960年代に活躍したF1マシン「RA300」や二輪レーサー「RC166」を展示して、同社のレースの歴史をアピールした。

RA300
ホンダは、1960年に活躍したF1マシン「R300」や二輪レーサー「RC166」も展示

Classic Meets Modernというキャッチフレーズを持つ「オートモビール・カウンシル」は、「60年代ル・マンカーの凄みと美しさ」と銘打ち、「イソ・グリフォA3/C」と「アルピーヌM63」が主催者の展示コーナーに並べられた。

同時期のレースを語った映画「フォード対フェラーリ」がまだ記憶に新しい時期に、これらの名車を前に「なんて美しい」と興奮した観客は大勢いた。「何で今はこういうシルエットの綺麗なクルマが作れなくなったの?」という声を2、3回耳にした。その応えは簡単ではないけど、安全と燃費などをより真剣に考えなければならなくなったメーカーには、そんな流れるデザインができなくなったと言えるだろう。

グリフォA3/C

アルピーヌM63
手前イソ・グリフォA3/C 奥アルピーヌM63

このイベントの面白いところは、例えば、マツダのブースで最新の電気自動車が見られるのに対して、パッと振り向けば、50年以上前の欧米のクラシックカーがずらりと並んでいる。まるでタイムトンネルを通して、1960年代にタイムスリップしたような気分だった。ゆっくり歩いていると、吉田茂元首相の「メルセデス・ベンツ300SE」があったり、「MG TA」、「モーガン4/4」などがあって、自動車の歴史の重みを感じさせる。

また、そのまま歩くと、フェラーリ「308GTB」、ポルシェ911、ジャガーXJS、ランチア・フルビア、アストンマーティン・ヴァンテージV550、初代ミニ、シトロエンDSなどの豪華なメニューに思わずヨダレが出そうだった。やはり、60年代~70年代のクラシックロックの名曲を忘れてはならないと同様に、これらのクラシックカーの存在にエールを送りたい。これらは道路を走るアートだから。


ポルシェ911E


シトロエンDS 1972年

長引くコロナ禍に影響されて2回も延期された同イベントのオーガナイザーの努力に乾杯! 当分、このような自動車イベントは開催できないだろうと思うので、関係者に素直に「ありがとう」と「おめでとう」と言いたい。

文=ピーター・ライオン

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