料理カメラマンだから生み出せた「男のフライパン手抜きめし」

10'000 Hours/Getty Images


男子はキッチンの棲み分けを宣言しよう!


ここでフライパンの登場です。「フライパンだけはオレに任せてくれ」とキッチンの棲み分けを宣言するのです。独断・偏見かもしれませんが、僕の見たところ女性の死角はフライパンにあり!(たぶん)。そして、分厚いステーキ肉を焼くなど男子は全般的に何か焼くのが好きです。

「ターク」(ドイツ製フライパン)など、分厚い打ち出しの鉄製でも使った日には、その重さから女性は片手では持てません。もう男子の独壇場。水を張って煮込む鍋は3次元空間ですが、フライパンは平面調理(2次元)。視覚で確認しやすいので失敗の可能性もがぜん減ります。

フライパンは余熱の効いたお皿です


さらにここでもう一つ提案したいと思います。「フライパンは余熱の効いた皿」として使うのです。僕なりに失敗を重ねてきた結論です。これによりあなたのキッチンでの立場は以下3つの理由で有利に働きます。

まずは一つめ。料理が完成した瞬間、フライパンをそのまま食卓に運びます。皿に盛り変えません。ジュウジュウといっているだけで料理は格段に美味しく感じられ、しかも冷めにくい。さらにワイルド感も演出できます。子供は「パパの料理って、やっぱりママと少し違う」と思ってくれるかもしれません。例えば「肉じゃが」をどんなに上手に作ったところで妻と比較されておしまい。逆に美味しく作りすぎたら妻の嫉妬さえ買いかねない。どちらにせよ賢くありません。決して同じ土俵で戦ってはいけないのです。

二つめの理由は皿に盛り変えないので、脂ぎった洗いものが一枚減ります。

そして三つめの理由。これが重要です。フライパンは鍋でつくる料理(例えば肉じゃが)に比べて短時間でできるものが比較的多いんです。これによりキッチンの滞在時間を短くできます。日々のキッチンにおいて主(あるじ)はあくまで妻。夫である男子はあくまでコロナ禍の新参モノという謙虚な姿勢が大切。すなわち、間借り人という立場で、素早く作って邪魔しないという技が必要になります。「キッチンに主は二人いらない」と悟りましょう。
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料理・写真・文=小林キユウ

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