ビジネス

2020.09.11

これからの経営者にはどんな視点が必要か。VCが語る「社会に望まれるサービス」のあり方

d3sign/Getty Images


元榮:アフターコロナの時代を切り拓く、新しい世代の起業家や若い経営者に伝えたいことはありますか?

石丸:世の中を変える重要な動きって、いろいろありますよね。インターネットやモバイルの発達といった技術的な話はもちろん、地理的な話では中国や東南アジアが盛り上がってきていたりする。こういった動きというのは、日本でぼーっと暮らしていても、いずれなんらかの直接的、間接的な影響がやってくるものです。

そういった動きは絶対に外さないようにしていくことが大切です。そして極力、テレビで見たり人から聞いたりするだけではなくて、実際に自分で行って、触ったり学んだりすることは、できるだけやっておくと良いのかなと思いますよね。

世界で起こっていることは決して対岸の火事や他人事ではなくて、必ず自分に影響が及んできます。ですから、そういう情報に触れて、常に学び、情報のアップデートを積み重ねていくようにしています。こういった意識は、今後、より大事になっていく気がしますね。

元榮:いま世界で一番注目しているエリアはどこですか?

石丸:アジアですね。人材の競争力ランキングで、シンガポールが第1位を取っていたり、米国や欧州への移住が難しくなっている影響もあって、優秀な人材がアジアに戻ってきていたりします。さらに人口が多いということは、優秀な人材もそれだけ多くいるはずですから、アジアが持つ可能性はまだまだ大きいと感じています。

元榮:アジアの中で、特に面白いと感じている国や、可能性のある分野はありますか?

石丸:私の投資先でもあるのですが、台湾はアメリカで教育を受けている人たちが結構いて面白いですよね。優秀な人材の出現率も日本より高い気がしています。これはシンガポールも同様ですね。

インターネットのサービスって一人勝ちしやすいじゃないですか。しかもグローバルに広がり得るものなので、今後アジア発のインターネットサービスが世界に広がっていくということが起こるかなと思っています。

元榮:弁護士ドットコムも「アジアから世界に」という思いでやっていきたいですね。

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石丸文彦(いしまる・ふみひこ)◎早稲田大学教育学部卒業、シンガポール国立大学経営大学院修士号取得。ジャフコ入社、その後、カカクコムに入社し、経営企画/IR、新規事業の立ち上げ、M&A等を管掌。国内投資会社を経て、サイバーエージェント・ベンチャーズにおいて中国駐在を経験。2012年1月よりデジタルガレージに参画、デジタルガレージ執行役員、DGインキュベーション取締役COO、Open Network Lab代表取締役に就任。現在、アコード・ベンチャーズ代表取締役として、ベンチャー企業への投資・育成に従事。2012年8月より弁護士ドットコムの社外取締役に就任している。

連載:元榮太一郎の「激動するこれからの時代で輝くためには」
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文=元榮太一郎

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