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「変わるためのリーダー」の5条件


 売上高増加ランキングにこのような企業が並ぶ主な要因は、比較的簡単に読み取れる。為替の好影響を受けた企業、資源高の好影響を受けた企業、大型のM&A(合併・買収)を行った企業、そしてリーマン・ショックで大きなダメージを受けて2009年の売上高が著しく低かった企業だ。グローバルでの存在感を増し、それを収益に結びつけた企業は、残念ながら少ない。
 デロイト トーマツ コンサルティングの日置圭介パートナーは、「日本企業の多くがリーマン・ショックからは回復しているが、外的要因による印象が強い」と語る。
「自然災害の影響があったとはいえ、日本企業はまだ回復途上にあると言わざるをえません。グローバル競争で勝ち抜くためには、成長と収益を確保し、経営環境の変化に対応できるようにしなければならない。しかし、これまで日本で求められてきたリーダー像のままでは、それは非常に難しい」(日置氏)
 では、グローバル企業に伍して戦うこれからのリーダーはどうあるべきか。日置氏が指摘したのは、次の5条件を兼ね備えたリーダー像だ(カッコ内は、これまでの日本型リーダー像)。

1.外に顔が利く(社内で顔が利く)
2.全体最適(個別最適を積み上げた全員最適)
3.引き算の思考(足し算の思考)
4.マネジメントスキル(テクニカルスキル)
5.気心の知れたチーム(殿と家臣)

 日本企業のリーダー像といえば、理想論はいろいろあるが、現実的には社内調整が得意な組織の内側に顔が利くタイプで、個別事情に配慮する結果、全員最適を求めがちな人物像が浮かび上がる。そして、基本的に規模を大きくしていけばよいという「足し算的」な発想。また、経営者教育が十分になされないまま、事業部長からマネジメント層に昇格することが多いので、マネジメントスキルというよりは、ある特定領域のテクニカルスキルに強みを持つ。戯画的に言えば“一国一城の主”で家臣を従えたお殿様といった感じのリーダー像である。
 安定的な成長曲線が描かれていた間は、それでもよかったのかもしれない。しかし、それは、グローバル企業の経営者とはかなり異なる。彼らの動き方を見て、これからのリーダー像を端的に描くと、まず、人材を引き抜くにも、企業を買収するにも、外に顔が利くことが重要だ。また、変化に対応する選択が全員最適とはならない施策であっても、企業全体にとって最適ならば実行できる決断力、さらに、経営リソースが限られる中での事業ポートフォリオの組み替えなど、リーダーとして「捨てる」決断ができることも求められる。そして、自分がよく知る技術や事業などの範囲に依存しない状況判断をするためにも、マネジメントスキルを磨くべきだろう。
「グローバル企業のリーダーの仕事は、下から上げられたことを承認するのではなく、自ら創りたいものを考え抜き、形にすることである」(日置氏)。そのための仲間として「気心の知れた小チーム」で企業を導いていく姿もありうる。
 いくつかの企業では、グローバル化という変革を意識して、これらの条件を持つリーダーを据え始めている。これからのリーダー像は、変わるためのそれと言えるだろう。

文=鈴木裕也(フォーブス ジャパン)

 

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