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2020.08.07

答えは、EDGE(現場)に潜む──構想5年、世界基準を築いた大人たちの矜持

EDGEMATRIX(エッジマトリクス)代表 太田洋(写真中央)

新型コロナウイルスの感染拡大によって、全国へ発令された緊急事態宣言。およそ1カ月半にわたって要請が続いたのち解除されたが、そのわずか3日後の2020年5月28日、withコロナ時代を見据えた新サービスが発表された。

映像エッジAIプラットフォーム「EDGEMATRIXサービス」。

「顔と体温」「密接と密集」など、AIがカメラ映像からwithコロナ時代の安全・安心を検知する。

最大の特長は、クラウドを介さず現場(エッジ)で映像をAI処理することによる、即時性のある“検知”が可能な点。利用者は、必要なAIアプリを現場のデバイスで実行し、スマートフォンやパソコン上でリアルタイムに閲覧、状況を把握することができる。

「密閉・密集・密接を避ける」「ソーシャルディスタンスを守る」といった新しい生活様式が政府から提唱されて1カ月も経たないうちの今回のリリース。映像エッジAI展開の基盤となるプラットフォーム開発を指揮したEDGEMATRIX(エッジマトリクス)代表・太田洋は、こう振り返る。

「構想から5年。デバイス製造から、クラウドサービス、設置工事請負までと、1ベンチャー企業では考えられない領域におよぶワンストップの提供体制を叶えることができたのは、NTTドコモ、そしてパートナーとの協業の賜物です」(太田)

加えて太田が力を注いだのが、社内の盤石な布陣。

絶大な信頼を寄せるふたりの技術者をリーダーに据え、プロジェクトに挑んだ。

本ストーリーは代表である太田の視点から、二人の異才との出会い、そして開発の軌跡を振り返る。

エントランスに設置された“1台のカメラ”からはじまった、AI事業


EDGEMATRIXは、クラウディアン社のAI事業をスピンアウトさせ、2019年4月に設立したスタートアップ企業。太田をはじめ、プロジェクトのリーダーを務める佐藤剛宣、杉原英文は新会社へ籍を転じながら、一貫して開発に取り組んできた。

現在、AIプラットフォームのソフトウェア開発を担う佐藤は、2011年クラウディアンに入社。結婚を機に、人生で初めてサラリーマンになった。

太田が率いる新規事業開発チームに佐藤がジョインしたのは、入社から3年が過ぎた頃。

「佐藤のことは、チームに来る前から知っていました。社内でもすごく目立っていましたから。

技術力は秀でていたし、その分やりたいことは口に出してはっきり言う。だから、代表である私の元にやってきたわけだけれど(笑)。

さすが、アメリカでの起業経験者は一味違う、といった印象でしたね」(太田)

ほどなくして太田は、彼の“ある行動”に度肝を抜かれることになる。


佐藤 剛宣

主力製品であるストレージの販売数を伸ばそうと、2015年当時、太田が注目していたのは認識精度を急速に高めていたAI、ディープラーニング。1万枚、5万枚といった大量の画像を、何度も見せて学習させるというそのプロセスに、大容量ストレージとの親和性を感じたからだ。

太田が新規事業としての可能性について探り始めた頃、佐藤は早くもディープラーニングの“変化が見える”技術にすっかり魅せられていた。そして、衝動の赴くままに短時間で独自の映像処理システムを自作してしまったのだ。

「会社のエントランスに1台カメラを設置し、出入りする全社員の特徴をAIに深層学習させる──佐藤がつくった簡易システムには、AIやディープラーニングが持つ可能性、そして面白さがぎっしりと詰まっていたんです。そこからですね、私がAI事業に本腰を入れるようになったのは」(太田)

百聞は一見に如かず。太田は、佐藤がつくり上げた簡易システムを片手に各社へプレゼンし、“AI車種認識”など数々の実証実験、そして“AIによる交通量測定”という商用プロジェクトを受注することに成功。その現場でのAI展開経験から開発したのが、今やAIプラットフォームのデバイスとなっている「Edge AI Box」だ。

ベテラン技術者によって向上したデバイスの精度。プラットフォーム開発が加速


クラウドを介在させず、現場(エッジ)で高画質な画像や大量のデータを処理できるAIデバイス、「Edge AI Box」。その製品発表が行われた2017年12月、太田は強力なパートナーを得ることになる。それが、現在「Edge AI Box」の開発責任者を務める杉原である。

インテル社などグローバル企業での経験が豊富で、ハードウェアに関する造詣も深いベテラン技術者が、当時関心を持っていたのがAI技術。杉原は、元同僚の伝手で太田と面談する機会を得た。その時の印象を太田はこう振り返る。

「私自身、どちらかというとハードウェア系の仕事に関わる機会が多かったので、ちょっと話をすれば、相手がどのくらいの技術や知識を持っているかすぐにわかります。

杉原とは初めて会った時から、レギュレーションや電源周りのことについて、とにかく話が盛り上がって。『この人なら安心して任せられる』と」(太田)

チームに参加した杉原を、太田は「Edge AI Box」の開発・生産が行われている台湾の工場へと招き入れた。缶詰になりながら一つひとつのスペックからロードマップの話まで、face to faceで協力会社と議論を尽くす。グローバル企業の経験が長い杉原は、こうした信頼関係を構築するプロセスこそが、製品自体の精度向上につながることを熟知していた。


杉原 英文

太田が並行して進めていたのが、1000台、1万台と増え続けるであろう「Edge AI Box」を遠隔からセキュリティ高く管理できるプラットフォームの構築である。台湾で行われた会議には、佐藤も度々合流し、ソフトウェアとハードウェアとを連携・融合させる調整を重ねていった。

そして、新会社設立後の2019年8月。NTTドコモ、清水建設、日本郵政キャピタルの3社から9億円の資金を調達したことで正式に、映像エッジAIプラットフォーム「EDGEMATRIXサービス」を2020年4月より開始すると発表した。

「実は記者会見の数カ月前に、映像処理に関する不具合が発覚し、慌てたこともありました。でもそのおかげで信頼できるパートナーを中南米コスタリカに見つけ、テクノロジーリスクを克服できて。満を持してリリースするはずだったのですが......思いも寄らぬコロナショックで、部品の調達が遅れ、延期を余儀なくされたんです」(太田)

世相に惑わされず、ボーダレスな発想で“本当に必要なもの”を


2020年5月28日。予定より1カ月遅れて、リリースされた映像エッジAIプラットフォーム「EDGEMATRIXサービス」。

サービス内容でひときわ目を引くのは、「EDGEMATRIXストア」で購入できるAIアプリのラインナップだ。withコロナを想定した「顔と体温」「密接と密集」のほか、「赤ちゃんうつぶせ寝」「ナンバープレート」「侵入」「徘徊者」「人、車、二輪車」「駐車」などが検知できるという、時代のニーズに合ったアプリがずらり。2020年内には、全20種類以上のアプリが揃う見込みだ。

「人の目が届かない現場(エッジ)をカバーしながら、リアルタイムに検知できるのが、ユーザーにとって最大のメリットです。

そもそも私たちが、事業をスピンアウトさせて新会社を立ち上げたのも『AIの普及・浸透のためには、現場(エッジ)へのAI展開が欠かせない』という考えから。その目標に向けた大きな一歩になったと感じています」(太田)

さらにAIをもっと身近なものにし、安全・安心なスマートシティを実現させるためには、どのような施策が必要なのだろうか。太田はさらに話を続ける。

「すべての基盤となる『Edge AI Box』そのものの形状や価格帯などをブラッシュアップしていく努力が必要でしょうね。

それにはまず、ユーザー、アプリ開発者、私たちがWin-Winになることが非常に重要だと考えています。各社とのパートナーシップを大切に、そしてユーザーの声に耳を傾けながら、さらなるプラットフォーム構築に邁進していきたい」(太田)

何よりも太田が心強いのは、「自分の使いたいものを作りたい」「もっと使いやすい製品にしたい」と意気込み、開発に取り組む佐藤、杉原の姿だ。

「ものづくりに対する想いだけでなく、国や国籍を超えたグローバルなチームを、“大人”のマネジメントをしてくれている。実に頼りになる存在です。

私たちの次のステップで目指すは海外展開です。日本発のクラウディアンがシリコンバレー本社として成功したように、現地に強力な仲間を得て、事業をグロースさせていきたい。彼らは、その立役者となるでしょう」(太田)

──withコロナであろうがなかろうが、世の中に必要な商品・サービスは成長を遂げる。

太田が発した一言が、頭から離れない。たとえ分断化が進んでも、彼のボーダレスな発想は、世に意表を突き続けるであろう。

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