従業員の燃え尽き症候群 緩和のために毎朝尋ねるべきこと

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大半の人は現在、普段よりも燃え尽きたように感じている。燃え尽き症候群は私たちの心の健康を大きく損なっているだけでなく、生産性も下げ、ミスを増やすことが研究から示されている。これは現在、どの企業でも見過ごす余裕がないものだ。

従業員の燃え尽き症候群の大きな原因の一つは、仕事で何も達成できていないという感覚だ。大部分の人には働く意志があるものの、多くの時間を仕事に費やすことと何かをやり遂げたと感じることの間には大きな違いがある。

私が創業したコンサルティング企業、リーダーシップIQ(Leadership IQ)はインターネット上でアンケート調査「How Do Your Time Management Skills Stack Up(あなたの時間管理スキルはどれほど?)」を実施し、調査には2万人以上が回答した。このデータからは、およそ3分の2の人が「『私は今日、本当に何かを達成しただろうか?』と思いながら退勤することが多い」と答えたことが示されている。

あなたも、「ここ1週間で何か重要なことを達成したと本当に感じた日は何日あっただろうか?」と自問しよう。私と同様大半の人は「一生懸命働いたのは分かっているが、本当に何かを成し遂げたのか確信が持てない」と思う日が何日かあるはずだ。

「最近、何も達成していない」という感覚を持つことは、燃え尽き症候群の典型的な症状だ。エネルギーややる気があるときには大きな目標を達成していることだろう。しかし、感情的な余裕がなくなり燃え尽き症候群になると、深い達成感を得ることはほぼ不可能になる。

ここでは、その解決方法を紹介する。それは毎朝従業員に「今日1日を成功させるため達成する必要がある1つ、あるいは2つのことは何か?」というシンプルな問いに答えさせることだ。

これはばからしいくらいシンプルなものに思えるが、いくつか強力な心理的概念が含まれている。

まず、先に述べた時間管理に関するアンケート結果からは、1日の始めに計画を立ててその日を成功させるために何が必要かを具体的に理解した場合、「今日は本当にうまくいった」と感じて仕事を後にする確率が約45%高まることが分かっている。

朝にこのような目標を立てることは、こうした業務や目標を(それがどのようなものであれ)達成することを意識的に約束しているのと同じだ。焦点を当てるものを1つか2つに絞ることで、全ての感情エネルギーをその目標に向けることができる。

それとは対照的にやることリストを全て書き出し、数十もの項目を挙げたとすれば、不可能なことの達成を自分に強いているのと同じだ。不可能な目標を達成することを迫られた場合、私たちは目標達成を単に諦めてしまう。そのため、リストを1つか2つの項目にとどめておくことが重要だ。
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翻訳・編集=出田静

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