50カ国を旅したプロが教える 体と心がほぐれる国内ホテル3選

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由緒ある石庭で休む(アマン京都)


歴史と伝統の都で、アートに囲まれながら整えたいという方に、インスピレーション溢れるステイを提供するのがアマン京都だ。



かつて琳派の開祖、本阿弥光悦が芸術村を作った鷹峯に、マチュピチュと考古学を愛する前オーナーが生み出した、約2万4000平方メートルという広大な森の庭。そこにわずか24室の客室と2棟のスイートのみ、というなんとも贅沢な造りで去年11月にオープン。

おおよそ40年の歳月を経て生み出されたという庭の石畳を歩けば、苔むした岩から滴る水音が、心穏やかなひと時を演出してくれる。

客室にさりげなく置かれたアートワークは、気鋭のアーティストたちが、伝統技法をモダンに解釈して生み出したもので、そんなところからも、古きを守りつつ新しさを生み出す空気を感じられるはず。

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客室からの眺め

そんなアートに囲まれた部屋には、2人でゆったりと浸かれる大きな檜風呂があり、さらにスパには、天然温泉の露天風呂、オリジナルのオイルや、指圧の考えを取り入れたトリートメントで体もしっかりメンテナンスができる。

昔ながらの圧搾法で抽出した椿オイルをベースに、京都らしい宇治の玉露やヒノキなど、和のエッセンスを混ぜ込んだ特別なオイルで、いつの間にか周りの自然に溶け込んでいくような錯覚を覚えるはず。

術後は「アクアカカオ」、健康効果が期待できるカカオパウダーと京都・伏見の水で作った、砂糖も乳製品も不使用という、今の時代に合ったヘルシーなチョコレートで一服。

また、ヨガや瞑想などのアクティビティもあるので、自分の体と心に改めて向き合うことで、新たな自分を発見するひと時となるはず。

広大な敷地内を歩くだけでも十分リフレッシュできるけれども、アクティブ派の方にはサイクリングがオススメ。すぐ隣の金閣寺をはじめ、日本の美を満喫できる近郊の寺院や名所を、今なら静かに楽しめるチャンスかも。

食事はイタリアで修行し、ロンドン、シンガポールでエグゼクティブシェフとして研鑽を積んだ鳥居健太郎シェフが、「Land to Table」をテーマに産地に赴いて選んだ京都近郊の食材を駆使した、繊細なイノベーティブ料理を提供。ヘルシー志向の方には、ヴィーガン、ベジタリアンの対応も可能だ。

また、今年4月にグランドオープンした日本料理「鷹庵」は、金沢のミシュラン2ツ星の日本料理店「銭屋」2代目で、農林水産省の「日本食普及の親善大使」として世界で活躍する高木慎一朗氏が「琳派」をテーマにしたお任せコース(ベジタリアン対応も可能)を提供し、食からもアートの世界を感じられそう。

古くて新しい京都、この場所で整えれば、新しいインスピレーションが湧いてくるのでは。

文=仲山 今日子

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