実際、僕が畳み人と呼ばれるようになってから、新規事業を展開する企業やスタートアップの経営者などから、畳み人を探しているという相談をよく受けます。
また僕が今まで多くの会社と仕事をして感じるのは、うまくいっているプロジェクトには、必ずと言っていいほど畳み人の存在があるということです。画期的なアイデアを出す広げ人の傍で、畳み人はそのアイデアを実現可能なものにまで昇華させる役割を担っています。そのアイデアを実現させるスキルの高さから、あらゆる会社で重宝されているのです。
歴史を見ると、戦国時代に功名を挙げた武将の傍には、必ずと言っていいほど名参謀がいました。山本勘助、竹中半兵衛、黒田官兵衛など、歴史文学がお好きな人であれば、ピンとくるのではないでしょうか。
現代も、グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾンといった有名企業はもちろん、日本のリーディングカンパニーのトップの傍にも名参謀がいます。
スティーブ・ジョブズと共にピクサーを立て直したローレンス・レビー(Getty Images)
スティーブ・ジョブズ氏と共にピクサーを立て直したローレンス・レビー氏、ホンダの創業者である本田宗一郎氏を支えた藤澤武夫氏、ソニー創業者の一人である井深大氏を支えた盛田昭夫氏、任天堂の中興の祖である山内溥氏のアイデアを具現化させた岩田聡氏……このように成長企業には、必ずと言っていいほど畳み人が存在するのです。
皆さんがご存知の「天才」や「名経営者」と呼ばれる人たちが評価されるようになったのは、そのすばらしいアイデアを傍で着実に実行する参謀、つまり畳み人がいたからだと言えるでしょう。
設楽悠介◎幻冬舎のブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済(New economy)」を創刊。同社コンテンツビジネス局で新規事業や電子書籍事業、コンテンツマーケティング事業を担当。幻冬舎コミックス、エクソダス等の取締役も兼務。また複数企業の社外アドバイザーも務める。個人活動としてVoicyでビジネス系音声番組「風呂敷畳み人ラジオ」や、カルチャー系Podcast/YouTube番組「#欲望のSNS」等の数々のコンテンツの発信やコミュニティを運営。イベント登壇やメディア出演も多数。著書にビジネスを着実に実行に移すスキルを紹介した『「畳み人」という選択「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書』(プレジデント社)。