ビジネス

2020.08.24 10:00

幻冬舎の名参謀、「風呂敷畳み人」設楽悠介の仕事哲学

幻冬舎編集本部コンテンツビジネス局局次長 設楽悠介氏の著書『畳み人という選択』


有名なアメリカの経営学者であるピーター・ドラッカーもこう言っています。
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アメリカの経営学者、ピーター・ドラッカー(Getty Images)

“Strategy is a commodity, execution is an art.”(戦略はコモディティであり、実行こそアートである)

仕事においてアイデアや戦略は消費されるコモディティ(日用品)のようなものですが、それを実行することはアートのように価値があるとドラッカーは言っているのです。
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この言葉を借りると、本来の意味で仕事の真価が問われるのは、「アイデアや戦略をいかに実現するか」ということ。アイデアは実行されてこそ意味を持ち、ビジネスでの大きなポイントになるのです。

そういう意味でもアイデアを実行に移す「畳み人」は、ビジネスにおいて欠かせない存在であると言えます。また、そのビジネスを「畳む技術」も、多くの現場において欠くことのできない重要なスキルなのです。

畳む技術を身につけることは、バランスのいい仕事の筋力を作ること。筋力があれば長い人生、仕事を行ううえで、多くのチャンスが舞い込みます。

まず本章では、その「畳み人」の「畳む技術」がいかに重要で、どれほど求められているのかということについて、詳しくお伝えしていきます。

なぜ「畳み人」が求められているのか?


僕はふだん様々な新規事業の立ち上げを行っている関係で、多くの経営者やプロジェクトリーダーたちと接する機会があります。そんな彼らからよく聞くのが、「いいアイデアを思いついても、プロジェクトがなかなか進まない」という悩みです。アイデアを提案しても、具体的にそれを進められるメンバーがチームからなかなか出てこないというのです。

一方、現場のメンバーに話を聞くと、「プロジェクトをどうやって進めていいかわからない」「聞くたびに(上層部の)意見がコロコロ変わって実現できない」という悩みをよく耳にします。つまり実行部隊であるべき現場には、アイデアを実行に移すための実行力や経験、さらにそれを指揮する人材が不足しているのです。

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Getty Images

ビジネスにおいてアイデアを形にするには、多くの業務が発生します。

プロジェクトの内容にもよりますが、予算組み、社内外を含むメンバー集め、スケジュールの段取り、場合によっては資金集め、法律やルールなども確認したうえで、実行までの総合的な戦略を立てる必要があるのです。アイデアを立案した広げ人がこれらを全てこなすことは、至難の業です。

だからこそ、アイデアを思いついて実行したいと思う経営者やリーダーにとって、それらの細かな仕事を着実に実行に移せる「畳み人」は貴重な存在です。畳み人は停滞中のプロジェクトを実行に移せる能力を持っているため、どの企業もほしがる即戦力の”スター人材”と言ってもいいと思います。
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文=設楽悠介

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