「やりたい仕事ができるようになるための最良のルートは、『畳み人』のスキル(=畳む技術)を身につけることだ」。そう語るのは、幻冬舎編集本部コンテンツビジネス局局次長の設楽悠介氏だ。設楽氏は、幻冬舎のブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済(New economy)」の編集長として、またその他関連企業複数社の取締役として、第一線で活躍している。
そんな設楽氏の著書『「畳み人」という選択 「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書』では、チャンスが来たときにしっかりとジャンプできる足腰を鍛え、リーダーをサポートしながらときにチームの先導役、ときにプレイヤーとして変幻自在に活躍する「畳み人」になるためのノウハウが詰め込まれている。今回はその中から特別に、一部抜粋して紹介する。
「畳み人」は、仕事におけるプロジェクトを着実に実行していくために欠かせない存在です。この章では「畳み人」とはどういった仕事のポジションなのか、そしてこの時代になぜ「畳み人」が求められているか、「畳み人」という選択をすることのメリットなどについてお伝えします。
「畳む技術」を身につけることは、きっとあなたが仕事をしていくために重要な筋力になるはずです。
「風呂敷畳み人」とは誰か?
ビジネスにおいて「突飛なアイデア」という大風呂敷を広げる経営者やリーダーを「広げ人」と仮に定義するならば、僕が本書で定義したい「畳み人」は、仕事のアイデアを形にし、着実に実行に移す仕事人のことです。リーダーに対する「名参謀」や「右腕」のような存在と言ってもいいでしょう。
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広げ人が仕事のアイデアをゼロから生み出す「0→1の人」だとすれば、畳み人はその1を10にも100にもする仕事です。
会社のポジションで言うと、CEOが広げ人でCOO(Chief Operating Officer)が畳み人、また会社内の新規事業であれば、プロジェクトリーダーが広げ人で、それをサポートして現場メンバーとリーダーをつなぐNo.2のポジションが「畳み人」というイメージです。サッカーのポジションでたとえると、攻守の要であるボランチのイメージです。前日本代表・長谷部誠選手や現日本代表の柴崎岳選手を想像していただけるとわかりやすいかと思います。
具体的には社長やプロジェクトリーダーである広げ人の一番近くで一緒にアイデアを組み立て、実行するためのあらゆる戦略を練り、チームを組成し育て、社内外の根回しもして、その事業全体を牽引し成功に導くのが畳み人の役割です。
世間的には「アイデアを生み出した人がすばらしい」と、広げ人ばかり評価される風潮もありますが、僕はアイデアを生み出した人と同じくらい、いやそれ以上にアイデアをきちんと実行させる畳み人をすばらしいと考えています。