アマゾンが1兆円注ぐ「衛星インターネット」の危険な未来

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スペースデブリが爆発的に増加する懸念


衛星が衝突すると、数千ものスペースデブリ(宇宙ゴミ)が放出され、他の衛星に衝突する危険がある。2009年には、アメリカの衛星が運用を終えたロシアの衛星と衝突し、大量のスペースデブリが発生した。

最悪の場合、1度の衝突が連鎖的な衝突を引き起こし、スペースデブリの量が爆発的に増える恐れがある。この現象はケスラーシンドローム(Kessler Syndrome)と呼ばれ、地球周回軌道の一部が使用できなくなる可能性が指摘されている。

アマゾンはFCCの認可を受けるに当たり、355日以内に衛星を軌道から離脱させると述べた。これは、NASAが設定した基準の25年よりも短い。

しかし、衛星が故障した場合に軌道から離脱させる方法については何も触れられていない。衛星に故障はつきものであり、離脱させることができなければ、大気圏に再突入するまで、数十年から数百年もの間軌道を周回し続けることになる。もう1つ懸念されるのが、衛星によって夜空が明るくなることだ。スペースXは、スターリンクの衛星によって天体観測に支障が出ると天文学者から批判を受けている。

スペースデブリの問題や天文学への影響が解決されていない中で、プロジェクト・カイパーが認可を受けたことは、多くの人を心配させることだろう。地上のどこにいても、高速なインターネットに接続できるようになるために、人類は今後、何世代にも渡り、深刻な問題に対処しなくてはならないのかもしれない。

編集=上田裕資

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