ヴァージン・グループの広報担当者はフォーブスの取材に対し、8月4日に同社がロンドンとニューヨークの裁判所で行った手続きが、「プロセスの一部に過ぎない」と述べ、ヴァージン航空が破産申請を行ったとの報道を否定した。
同社は通常通りのビジネスを継続中であることを強調し、7月に債権者らと合意した15億ドル(約1580億円)相当の救済策の締結に向けて、裁判所を訪れたと述べた。ブランソンと彼のチームは、債権者の大半からの支援を既に取りつけており、ヴァージンの再建プランが9月から始動すると述べている。
同社は今後、全てのステークホルダーからの承認を得る必要があるが、「我々はこの計画に自信を持っている」と広報担当者は話した。
「ヴァージン・アトランティックは本日、救済プロセスの実行に向けて裁判所を訪問した。当社は債権者らのサポートを受けてこのプロセスを進めている」と、広報担当者は述べた。
英国企業であるヴァージン・アトランティックは、ニューヨークの裁判所を通じ、米国の司法システムに同社の再建プランを承認させようとしている。
ヴァージン・グループは今年5月から6月にかけて、宇宙旅行企業「ヴァージン・ギャラクティック」の5億ドル相当の株式を売却した後、国際投資会社Davidson Kempner Capitalを新たなパートナーとして迎え、2億3300万ドルの支援を受けていた。
さらに、債権者から5億8700万ドル、株主から5億2200万ドルの負債の返済の繰り延べの合意を取りつけ、デルタ航空を含む既存の株主から7億8300万ドルを調達していた。
ヴァージン・アトランティックの広報担当者はフォーブスに対し、8月4日の裁判所での聴取が、「手続きに関するもの」だったと述べた。聴取の結果、同社は債権者を招いた協議を8月25日に開催し、決議を行う許可を裁判所から得たという。
今年3月に、リチャード・ブランソンは新型コロナウイルスが「私がこれまで生きてきた中で、最も深刻な危機を世界にもたらした」と述べ、「会社を維持し、雇用を守るために戦っていく」と話していた。フォーブスは現在のブランソンの保有資産を47億ドルと試算している。