そして、米国内ではすでに2年あまり前から使用されていたこのアプリへの米政権のスタンスはその後、劇的に変化した。
ティックトックはわずか何期間かのうちに、少しでも注目を集めたい保守派の政治家にとっての憤りの対象から、ホワイトハウスにとって迅速な対応が急務である重大な国家安全保障上の脅威に変わったのだ──報復であるとの仮説は、十分に成り立ちそうだ。
ただ、ティックトッカーたちの間ではこの問題を巡り、大統領の計画を妨害するための運動は、当初は楽しむためのものだったにもかかわらず、政治活動に使われるまでになったこのアプリを「失うだけの価値があったのか」という疑問が沸き上がっている。
こうした疑問に対し、オンラインでトランプをトロールしており、タルサの集会のチケットも参加の予定なく2枚購入したという20歳のサウスカロライナ大学の学生、ソーヤー・マクダフィーは次のように語る。
「Z世代のひとりとして学んだことがあるとすれば、どんなルールが作られようと、僕らはそれらを回避する方法を見つけるだろうということです」
実際に、インフルエンサーたちはすでに、ほかのプラットフォームを使い始めているという。集会のチケットを6枚購入し、参加しなかったというロサンゼルス在住の26歳のトレバー・スラックによれば、ティックトックで始まった反トランプ運動は、場所を変えて継続される可能性が高い──スラックは、「アプリの数は、100万はありますよ」と述べている。