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英国に本拠を置く金融大手「HSBCホールディングス」は8月3日、2020年上半期の税引前利益が前年同期比65%のマイナスになったと発表した。金利収入の低下に苦しむ同社は、新型コロナウイルスのパンデミックがもたらす融資の焦げ付きリスクを警戒し、2020年の不良債権引当金が最大130億ドル(約1兆3800億円)になると予測した。

ロンドン本拠のHSBCの今年上半期の税引前利益は43億ドルで、前年同期から3分の2近いマイナスとなった。同社は今年の不良債権引当金を、以前は最大110億ドルと見込んでいたが、130億ドルに引き上げた。

HSBCのCEOのNoel Quinnは声明で、既に発表した組織再編のプランの実行を早めていくと宣言した。同社は2月に3万5000人の雇用削減を発表したが、4月にスタッフを経済危機から守るために、その計画を一時停止していた。

「市場環境が変化する中で、当社のビジネスの持続性を高めるために、追加の施策の検討を進める」とQuinnは宣言した。

航空業界やレジャー産業の大手がパンデミックにより甚大なダメージを受ける中で、HSBCや米国の大手銀行は貸し倒れリスクを警戒し、数十億ドル規模の不良債権引当金を準備している。HSBCは今期の人員削減を見送ったものの、今後はその試みを再始動し2020年までに45億ドルのコスト削減を行う計画だ。

ロンドン市場と香港市場に上場するHSBCの株価は、今年に入り40%下落している。

HSBCは売上の多くを中国と香港であげているが、米中間の対立の板ばさみにも襲われ、中国当局の厳しい目を向けられている。中国の政府系メディアは以前からHSBCがファーウェイを罠にかけたと主張しているが、同社は先週、そのような指摘は事実無根だと否定した。

中国からの圧力を受けて、HSBCは中国政府が発動した香港国家安全維持法を支持すると宣言していた。そんな中、同社CEOのQuinnは「米中間の緊張の高まりは、当社の事業に厳しい環境をもたらしているが、我々は困難に立ち向かい、長期的に見て顧客や投資家に利益をもたらす決断を行っていく」と述べた。

編集=上田裕資

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