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ワンダグループの創業者 王健林(Photo by Tim de Waele / Getty Images)

中国の不動産分野のコングロマリット「ワンダグループ(大連万達集団)」を率いる王健林は、負債の削減のため海外資産の売却を進めている。ワンダグループ傘下の「ワンダ・ホテル・ディベロップメント(万達酒店発展)」は米国シカゴで建設中のホテル、ビスタタワーの株式の90%を2億7000万ドル(約300億円)で、米国の不動産企業「マゼランパーセル」に売却すると7月30日に発表した。

ビスタタワーは2020年末に完成予定の101階建てのホテルで、マゼランパーセルは以前から10%の株式を保有していた。ワンダ側がこの売却で得るリターンは、約1200万ドルになる見通しという。ワンダは2014年にこのプロジェクトに出資していた。

「当社は今回の売却によって、債務を縮小する」とワンダは香港市場宛ての書類で述べた。ワンダグループの創業者の王の保有資産は143億ドルと試算されている。1990年代に中国で発生した不動産ブームの追い風に乗った彼は、過去2回以上、中国トップの富豪の座に上り詰め、ワンダをエンタメ業界のトップブランドに成長させた。

その後、アリババ創業者のジャック・マーが2017年に、王を抜いて中国一の富豪になっていた。

ワンダは米国や欧州で複数の企業を買収したが、2017年4月に中国政府の監視対象に入って以降、それらの海外資産の売却を進めている。同社は2017年に76のホテルと13のテーマパーク施設を、同業の融創中国控股(Sunac China)に93億ドルで売却し、スペインのサッカーチーム、アトレティコ・マドリードの株式や、米国の映画シアターチェーンのAMCの持ち株の一部も手放していた。

ワンダは今年3月に、トライアスロン運営会社のワールド・トライアスロン・コーポレーション(WTC)を7億3000万ドルで売却していた。同社は2012年から2016年にかけて、海外進出に意欲を燃やしたが、その夢は途中で頓挫した形だ。

「かつて野心的な海外事業の買収を進めた中国企業の多くは、課題に直面した」と中国の調査企業Savills Researchのアナリスト、James Macdonaldは語る。「不動産開発企業の多くは、巨額の負債の清算に向けて売却を進めている」

ワンダグループは現在も米国の映画製作会社Legendary Entertainmentの株式を保有しており、中国最大の映画チェーンを運営している。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより映画部門は巨大なダメージを受けている。「ワンダは負債の清算に向けて、不採算部門の売却を進めている」とMacdonaldは話した。

編集=上田裕資

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