米大統領選、揺らぐ信頼 有権者の7割超が不正懸念

Photo by Alex Wong/Getty Images

11月の米大統領選で不正が行われることへの懸念が与党・共和党と野党・民主党のいずれの支持者の間でも広がっていることが、ロイター通信と調査会社イプソスの最新世論調査で明らかになった。4年前と比べてもかなり高い割合となっている。

ロイターが報じた7月31日公表の調査結果によると、「選挙結果に影響を与えることをめざす政治アクター」による組織的な不正投票が行われないか不安に感じている有権者は、全体のじつに74%にのぼった。

支持政党別では、民主党支持者の70%、共和党支持者の80%が懸念を抱いていると回答していた。支持する政党を問わず、大統領選の公正さに疑念がもたれているようだ。

不信感はとくに左派の間で高まっているとみられる。ABCニュースとワシントン・ポストが2016年の大統領選直前に実施した調査では、共和党候補のドナルド・トランプ支持者の70%が不正投票は広く行われていると考えていたのに対し、民主党のヒラリー・クリントン支持者の間ではその割合は11%にとどまっていた。

ロイターとイプソスの調査では、ライバル側の支持者が投票に行かないよう誘導する「ボーター・サプレッション」を懸念している人も全体の73%にのぼった。共和党支持者では60%、民主党支持者では80%に達している。

両党の間で大きな違いがみられたのは、新型コロナウイルス対策で増える見通しとなっている郵便投票に対する見方だ。郵便投票が不正につながることを懸念すると回答した人は、民主党支持者では全体のわずか30%だったのに対し、共和党支持者では80%にのぼった。

また、投票資格のない人が投票することを懸念する人の割合も、共和党支持者のほうが民主党支持者よりも2倍高くなっている。

郵便投票については、不正投票を招くとしてトランプ大統領がたびたび攻撃しているが、それを裏づける実証的な根拠はほとんどない。トランプは7月30日にもツイッターで、郵便投票は「史上最も不正確で不正まみれの選挙」につながりかねないとして大統領選を延期する案をほのめかしたが、共和党の幹部を含む議員たちからただちに一蹴されている。

編集=江戸伸禎

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