新アップルウオッチに「コロナとの戦いに役立つ機能」搭載へ

(c) Apple

アップルが年内に発売するアップルウオッチの最新モデル「シリーズ6」に、血中酸素飽和度(SpO2)モニターが搭載される見通しが強まった。これにより、人類と新型コロナウイルスとの戦いに大きな一歩がもたらされる可能性がある。

血中酸素飽和度とは血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示すもので、身体に疾患があったり体調不良を起こしていたりするとこの数値が低下する。アップルウオッチがこの機能に対応する見通しは、今年3月時点のiOS 14のコードの解析で浮上していた。

アップルは既にこのテクノロジーの特許を申請していたが、サプライチェーンの動向に詳しい台湾DigiTimesによると、同社は台湾企業のASE Technologyとのコラボで、SpO2モニター機能の開発を進めており、年内に発売されるアップルウオッチに搭載される見通しという。グーグル傘下のFitbitは、既にSpO2の計測に対応するウェアラブルデバイスを発売中だ。

ヘルスケア情報ポータルのWebMDは今年4月、「多くの医師たちが、新型コロナウイルスの患者の血中酸素飽和度が危険なレベルに低下していることを指摘した」と述べた。「一部の医師は、感染者らに自宅でパルスオキシメーター(酸素濃度計)を用いて、その数値を確認することを薦めている」という。

パルスオキシメーターは安価で、50ドル以下で購入可能なものも多い。しかし、このデバイスで一時的に数値を確認するよりも、日常的に身につけるウェアラブルデバイスで、変化を把握するほうがメリットが大きいという。SpO2のデータを普段から測定しておけば、新型コロナウイルス感染症の発症を、事前に検知できるとのレポートも公開されている。

アップルCEOのティム・クックは2019年のCNBCの取材に次のように述べていた。「将来的に、アップルがどのような面で人類に貢献したかを振り返った場合、それはヘルス領域になるだろう。当社はヘルス関連の技術を民主化し、人々の健康な暮らしをサポートしようとしている」

アップルウオッチは既に運動量や消費カロリー、脈拍、ECG(心電図)の測定に対応しているが、ここに血中酸素飽和度の測定機能が加われば大きな前進と言える。しかし、果たしてこの機能が本当にシリーズ6に搭載されるかどうかは、アップルからの正式なアナウンスを待たねばならない。

編集=上田裕資

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