旅する“元”広報

窯元の工房内に作られた「えくぼとほくろショップ」

Go toキャンペーンが始まりました。様々な見解があるとは思いますが、観光に関わる事業者の売上が通常の1〜2割という状態が数ヶ月続けば、補助金や寄付金だけでは持ちこたえられない企業もあるでしょう。

充分ではないにしても、まずはコロナを乗り越える。この観点においてGo toキャンペーンは賛成です。ただ、ワクチンができるまでは、ウィルス拡散や罹患リスクを抑えるために、大きな越境はせず地元民が地元圏内を旅する「地元旅」つまり「マイクロツーリズム」が妥当だと思います。

そのような訳で、これまで2回にわたりマイクロツーリズムについて書いてきましたが、今回は「地域の魅力の見つけ方と作り方」について掘り下げてみます。


制作途中の焼き物がズラリと並ぶ工房には見たことがない道具や機会で溢れている。(C)肥前吉田焼窯元協同組合

紹介する事例は、焼き物の製造過程でかならず出来てしまう「規格外品」を安く売るというものでした。これを「キズがついてしまった焼き物を安く売る」と言ってしまえば、そこまで多くの人には興味を示してもらえなかったでしょう。

同じものの見方を変えてみるのです。

職人の手仕事には、知られざる事情がある


いきなり余談で恐縮ですが、皆さんは「磁器」と「陶器」の違いをご存知でしょうか?

磁器は「石」から、陶器は「土」から作られます。見分け方は裏の高台が「白」なら「磁器」、「茶色」なら「陶器」です。もしくは軽く叩いて「キンキン」と金属音がするのが「磁器」、ゴンゴンと鈍い音がするのが「陶器」です。

「磁器」の原料となる粘土は、山から石を掘り出して砕き、何回もフィルターで通されてから水で練られて作られます。

ろくろや型を使って成形した後に絵付け。そのあとは最低でも2回、多いものだと5回くらい窯で焼かれます。温度は1300度。ガラスがドロドロになる温度です。

器は、どんなに丁寧に仕事をしていても1〜2割程度の商品は、生地に含まれる鉄分が浮き上がり「ほくろ」のような黒点になったり、釉薬に含まれる空気がはじけて「えくぼ」のような窪みができてしまうことがあります。

これは規格外品として扱われ、二束三文で業者に引き取ってもらうか、産業廃棄物としてお金をかけて処分、もしくは倉庫に延々と積み上げられてしまう、いわば「お荷物」的存在になります。

程度の差はありますが、中には写真に掲載した例のように虫眼鏡でみないとわからないものも。これを捨てるなんて、なんだかもったいないと思いませんか?

文=南雲朋美

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