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感謝祭当日の休業を発表した米小売り大手ターゲット(Getty Images)

米小売り大手ターゲット(Target)のプレスリリースに埋もれた一文を読めば、2020年の感謝祭(今年は11月26日)がいつもと大きくかけ離れたものになることを、改めて実感するだろう。ライバルのウォルマート(Walmart)に続いてターゲットも、今年の感謝祭当日は全店を休業すると発表したのだ。感謝祭セールに少しでも多くの買い物客を呼び込もうと競い合っていた1年前とはまったく様相が異なっている。

ターゲットは7月27日に公式サイトで、「感謝祭当日の休業」を発表すると同時に、「感謝祭を挟んだ前後には、消費者がどこよりもお得な価格で買い物を楽しめる機会を設ける」と述べた。しかし、感謝祭翌日のブラックフライデーの営業時間については触れていない。

ターゲットの発表より1週間あまり前の7月21日には、米小売り最大手ウォルマートが、30年以上ぶりに感謝祭当日を休業日とすることを発表していた。この決定についてウォルマートは、「試練の多い時期に尽力した」従業員たちに感謝を示すためだとしている。

急激に拡大して多くの人命を奪う新型コロナウイルスにより、実店舗小売店の多くは2020年、ほぼ一貫して苦難を強いられてきた。一方で、食料品店がおおむね何とかやり過ごすことができたのは、自宅待機を迫られた消費者が自炊をするようになったためだ。

とはいえ、「生活必需品」を取り扱う小売店は、従業員の給与アップを求める声にも直面している。店員たちが、マスクの着用を拒む買い物客に対応したり、そうした客からウイルスに感染してしまう危険にさらされたりしているからだ。

ウォルマートのオンライン販売は、第1四半期の売上が前年同期比で74%増と大きく伸びた。つまり、実店舗を休業しても買い物客を呼び込めるということだ。

一方のターゲットは、多額を投資して、ピックアップサービス(消費者がオンラインで注文した商品を、最寄りの店の駐車場で受け取れるサービス)と宅配サービスを拡大している。感謝祭当日の休業を発表したプレスリリースによると、同社は来店せずに購入できる商品数を、秋までにさらに2万点増やす予定だという。それらには、生鮮食料品や冷凍食品、ギフト商品が含まれる。

小売店はこれまで、感謝祭からクリスマスにかけての年末商戦に望みを託し、十分な儲けを手にして1年を締めくくることを目指してきた。実際、その願いは2019年には実現していた。全米小売業協会(NRF)によれば、好調な株式市場と低い失業率のおかげで、2019年の年末商戦は、売上が前年同期比4.1%増の7302億ドルに上った。予測されていた「3.8%から4.2%」という成長率のほぼ上限に達したのだ。

全米小売業協会が2020年の年末商戦予測を発表するのは10月だ。パンデミックの影響が広範囲におよぶ前の2020年3月時点では、自動車販売とガソリンスタンド、外食を除く小売の2020年成長率は3.5%から4.1%になるとの見通しを全米小売業協会は示していた。金額ベースでは3兆9300億ドルから3兆9500億ドルで、過去5年の平均成長率3.7%と同水準だ。オンライン販売と無店舗の売上高予想としては、最大15%増で、8706億ドルから8939億ドルになると予測していた。

新型コロナウイルスの影響と相次ぐ小売業の倒産で、2020年の実店舗売上高予想には疑問符がついたが、オンライン販売については好調であることが期待されている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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