旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」

AMSPサイトのスクリーンショット

アフリカ55カ国が参加するアフリカ連合(African Union, AU)は6月18日、COVID-19対応の新たな取り組みとして、医療品に特化した政府向けのEコマースプラットフォーム「African Medical Supplies Platform, AMSP」の運用開始を発表した。アフリカ発の、アフリカによる、アフリカのための課題解決の新展開に注目だ。

2002年に発足したAUは昨年、アフリカ自由貿易圏(African Continental Free Trade Area, AfCFTA)の「運用フェーズ」開始に関し、全加盟国のうちエリトリアを除く54カ国で合意。現在、輸出の2割以下に止まっているアフリカ内貿易の促進により、アフリカ経済の活発化が期待されている。

このAfCFTA下での貿易は、今年7月から開始予定だったものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、来年1月に延期された。一方、COVID-19を機に実現したAMSP開設と運用は、アフリカ内における貿易活性化の先駆けとなりそうだ。

パートナーシップが可能にした秀逸性


今年度のAU議長を務める南アフリカのラマポーザ大統領に任命され、AU特使としてAMSPの指揮をとるのは、ジンバブエ出身の実業家ストライヴ・マシウィワ(Strive Masiyiwa)。彼は、ジンバブエのテレコムグループEconet Wireless Zimbabweの創始者兼会長で、アフリカのトップ20に入るビリオネアの一人だ。

AMSPは、マシウィワの協力と出資に加え、アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)、アフリカ輸出入銀行(African Export-Import Bank, Afreximbank)、国連アフリカ経済委員会(United Nations Economic Commission for Africa, ECA)、社会課題解決に重点をおいた起業を支援するコートジボワール本拠のVC Jaanngoら主要プレイヤーとのパートナーシップがあって実現した。


(AMSPサイトのスクリーンショット)

アフリカCDCとの連携は、国ごとのニーズを把握し、医療品を効果的に分配するために欠かせない。一方、Afreximbankとの連携は円滑な支払を可能にした。国家財政上、現金即時支払が困難な場合、当銀行が与信枠を設けて支払をサポートする仕組みとなっている。

さらに、エチオピア航空、南アフリカ航空、ルワンダ航空、ケニア航空、エジプト航空といったアフリカの主要航空が、DHL、UPS、FedExといった国際宅配便サービスとともにAMSPの商業パートナーとして参画し、円滑なロジスティクスをサポート。5〜7日間という商品リードタイムを実現した。

文=MAKI NAKATA

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